【フィラデルフィア/米国 29日 AFP】競馬、第132回ケンタッキーダービー(132nd Kentucky Derby)を無敗で制し、続く第131回プリークネス・ステークス(131st Preakness Stakes)のレース中に右後ろ脚を骨折し引退を余儀なくされたバルバロ(Barbaro)が、術後の8ヶ月にも及ぶ懸命の治療にピリオドを打ち、29日の朝安楽死処分された。

 米紙フィラデルフィア・デイリーニュース(Philadelphia Daily News)のインタビューに応じたバルバロの共同馬主ロイ・ジャクソン(Roy Jackson)氏は「バルバロからこれ以上痛みを取り去ることはできないという結論に達した。正しい判断だったと思う。2本の後ろ足に続いて前足にも異常が見られ始めた。バルバロをこれ以上苦しめたくなかった。」と語り、苦しい胸の内を明かした。

 治療を行っていたペンシルベニア大学・獣医学部のディーン・リチャードソン(Dr. Dean Richardson)外科部長は会見を行い「手術は砂上の楼閣のようなもので、一部が悪化すると次々と他の部位の悪化を引き起こした。27日には体重を支えきれなくなっていた右足にスチールのピンを打ち込むという危険な手術を行ったが、自体は好転しなかった。」と語り、安楽死処分は万策が尽きた上での苦渋の判断だったことを明らかにしている。

 無敗のまま臨んだケンタッキーダービーを6.5馬身差の大差で制したバルバロは、2冠目を狙って臨んだプリークネス・ステークスで右後ろ脚3ヶ所を骨折。ジャクソン夫妻は通常なら安楽死の処置が取られるほどの重傷を負ったバルバロに手術を施して回復を待つという異例の措置を取り、全米中の注目を集め一時は順調な回復が伝えられていたが、7月に左足の蹄葉炎を発症。リチャードソン外科部長は蹄の8割を削り取る措置を施したが、術後に様態は悪化しこの段階でバルバロの延命の可能性は事実上絶たれていた。

 写真は、ケンタッキーダービーで先頭を走るバルバロ(2006年5月6日撮影)。(c)AFP/JEFF HAYNES