【兵庫 26日 AFP】マグロ資源を管理する国際機関が一堂に会し、資源保護や乱獲防止に向けた連携策を話し合う会合が、22日から5日間の日程で神戸市で開催されている。26日には世界初の国際的行動指針を採択する見通し。

■具体的な連帯策が盛り込まれる見通し

 この会合には、太平洋、大西洋、インド洋などの海域でマグロ資源を管理する5つの国際機関に加盟する計60の国・地域のメンバーが出席。

 今回採択される予定の行動指針には、マグロの生息数の観測結果や違法漁船の情報を、各海域間でどのように共有化するかについて具体的な連帯策が盛り込まれる見通し。これまではマグロ漁獲に関する共通の基準が設定されていなかった。

 25日の会合後、オーストラリアの代表者の1人は「行動方針には各機関が大筋同意している。26日に採択されない事態となれば大変残念なことだ」と語った。

■日本食ブームがマグロを絶滅の危機に?

 環境保護団体が「世界的な日本食ブームが原因でマグロの生息数が激減し、絶滅の危機に瀕している」と非難していることから、開催国の日本は厳しい圧力を受ける形となった。開催国の日本は、世界一のマグロ消費大国で、全世界のマグロ漁獲量の4分の1を消費している。

 写真は東京の築地市場で26日、競り市の後前に冷凍されたマグロを切り分ける魚類販売業者。(c)AFP/MARTIN OESER