【マサイマラ/ケニア 25日 AFP】ヌーの大移動で知られるケニアのマサイマラ(Maasai Mara)国立公園とタンザニアのセレンゲティ(Serengeti)国立公園がこのほど、米メディアにより「新・世界の7不思議」の1つに選出された。ケニアの観光業者や政府は「観光客のさらなる増加が見込める」と大喜びだが、自然保護論者たちは、開発の行き過ぎが公園の破壊を招くと懸念しており、そうした「栄光の座」のウラにはさまざまな感情が交錯している。

 以下は、ケニアのツーリズム関係者、マサイ族の村人、マサイマラ国立公園の監督官へのインタビューを含む、現地レポートの日本語説明。(2分24秒)

 毎年30万人の観光客が訪れるマサイマラ国立公園は、ケニアの観光の目玉である。今回「新・世界の7不思議」に選ばれたことで、観光客がさらに増えることが見込まれる。

 インタビュー1(8秒):ケニアツアーオペレーター協会(Kenya Association of Tour Operators)のDuncan Muriokiさん

 「(新・世界の7不思議に選ばれて以来、)旅行業者やお客様から以前にも増してたくさんのお問い合わせを頂いております」

 ケニアの最大の外貨収入源は「観光」で、その伸びも目覚ましい。こうしたことから、観光産業が50万人の雇用を創出することも期待されている。

 マサイマラ国立公園に住むマサイ族の人々は、観光客増加の予想を歓迎している。マサイの村を案内したり歌や踊りを披露するなどのサービスを提供することが、彼らの唯一の収入源であるためだ。

 インタビュー2(8秒):マサイ族のJackson Leporeさん

 「そうしたサービスで得る収入で、私たちは制服や学用品を買うことができるのです」

 しかしながら、マサイマラ国立公園のセールスポイントは、大自然にひとりたたずんで「野生動物たちと一緒にいる」という感覚を味わえることにある。

 こうした自然の美しさが、今まさに、危機にひんしている。公園の管理当局者は、観光客の増加が公園の生態系をおびやかすことを危ぐしている。

 インタビュー3(11秒):マサイマラ国立公園の主任監督官、Michael Koikaiさん

 「動物への迷惑行為や、決められた道を走らないことで植生を破壊している、などの例が報告されています」

 複数の投資家は、既に、ロッジなどの観光施設を新たに建設する計画を観光当局に提出している。しかしながら、ケニアの観光局は、公園内の宿泊能力を上げるよりも、公園そのものの雰囲気を維持したいという考えのようだ。

 インタビュー4(11秒):ケニアツアーオペレーター協会のDuncan Muriokiさん

 「サービスの向上、商品の向上、環境の向上の3本立てにより、料金を若干値上げする。マサイマラがこれからも観光客のみなさんにとって『エキゾチックな場所』であり続けることが重要です」

 美しい自然の景観を壊さずに新たな観光施設を建てることの可否とその規模に関する研究は、最近始まったばかり。マサイマラの動物や住人への影響が一切ないことが確認されるまで、いかなる開発も行われないことになっている。