【カンヌ/フランス 24日 AFP】全世界の音楽愛好家が制限なく、自由に複数のデジタル音楽配信サービスを楽しめるようになる。そんな時代は、まだ先になりそうである。音楽産業の足並みがそろうには、まだしばらく時間がかかるようだ。

■合法的にダウンロードした音楽が、プレーヤーによって再生できない

 カンヌで今週開催されている世界最大の国際音楽産業見本市、MIDEMで、違法コピーの防止手段として導入された「デジタル著作権管理(DRM)」をめぐって活発な議論が交わされている。

 DRMによって、合法的にダウンロードした音楽であっても複数の再生プレーヤーで聞くことはできない現状に、消費者からは不満の声が募っており、MIDEMでも、厳しい制限を設けている大手レコード会社各社に対し緩和を求める要求が各方面から相次いだ。

 アップルは、iPodユーザーを独占的に自社の音楽配信サイトiTunes Storeに誘導するために、DRMを利用しているのは周知のことだ。

 iPodユーザーは、iTunes Storeから音楽を購入し楽しむことは可能だが、DRMの制限により世界4大レーベルであるEMI、ユニバーサルミュージック(Universal Music)、ソニーBMG(Sony BMG)、ワーナーミュージック(Warner Music)の各社が配信する音楽の購入、再生はできない。

 これに対し、欧州の消費者団体らは携帯型音楽再生機市場シェアトップの米アップル(Apple)らを相手取り、2007年9月末までの規制撤廃を求めた。

■一方で「eMusic」もシェアを拡大

 ただ、MP3フォーマットは広く普及しており、オンライン音楽配信サービスeMusicが短期間でiTunesに次ぐ世界第2位に躍り出ている。eMusicは22日、会員数25万人を突破したと発表した。20万人を突破してからわずか4か月足らずの快挙。

 David Pakman社長はインタビューで、「eMusicが欧米で成功した理由は、あらゆる端末で再生可能な音楽、良質の編集・音楽発見ツール、商業的にヒットした音楽に限らない広い視野を持った選曲など、他のデジタル音楽配信サービスが行っていないコンビネーションを提供しているからだ」と語った。

 写真は23日、国際音楽産業見本市、MIDEMで音楽を試聴する来場者ら。(c)AFP/VALERY HACHE