【北京/中国 26日 AFP】中国本土での公開が初めて認可されたボンド映画「007/カジノ・ロワイヤル(007/Casino Royale)」が、洋画の興行収入の最高記録を打ち立てる様相を呈してきた。

■例にない大規模な公開

 配給元のソニー・ピクチャーズ(Sony Pictures)によれば、6代目ジェームズ・ボンド(James Bond)としてダニエル・クレイグ(Daniel Craig)を、ボンドガールとしてエヴァ・グリーン(Eva Green)を起用した同作品は、29日のプレミア後に全国1000以上の映画館で公開されるとのこと。

 「全国1000館以上で上映がスタートするなんて、中国の洋画史上、最大規模です」とソニー・ピクチャーズのLi Chow氏はAFPの取材に答えた。更に同作品は無修正のまま、全国の主要都市に加えて、小さな町村でも上映されると同氏は語った。

 今作は、45年間にわたり21本作られてきたボンド映画の歴史の中で、初めて中国本土で公開される映画となる。

 「容易ではなかったけれど、公開の許可が下りて本当にうれしいです。無修正のまま上映されることがわかり、さらに喜んでいます」Li氏は述べた。

■力の入ったプロモーション活動

 ソニーは、この初公開に備えて、中国での大規模なキャンペーンを計画している。29日の中国プレミアにはクレイグ、グリーンと共にマーティン・キャンベル(Martin Campbell)監督も登場して、プレミアを盛り上げる。旧正月を2週間後に控えたこの29日という日は、チャン・イーモウ(Zhang Yimou)監督の歴史スペクタクル大作「Curse of the Golden Flower」が中国の興行記録を塗り替えてから約1カ月後にあたる。

 さらにインターネット上でのプロモーションに加え、新聞、テレビ、雑誌での広告掲載にも力が入れられている。

 これまで公開されることはなかったボンド映画だが、約1ドルで買える海賊盤のDVDやVCDで、すでに国内でも多くのファンを獲得している。

 中国では毎年、20本の洋画が公開されており、そのうちの15本はメジャーなハリウッド映画である。

 写真は23日、北京のある映画館に掲載された「007/カジノ・ロワイヤル」のポスター。(c)AFP/Peter PARKS