【ブカレスト/ルーマニア 18日 AFP】ドラキュラ城として知られる「ブラン城(Bran Castle)」が6000万ユーロ(約93億円)で売りに出されているが、地元自治体が購入する意志を示している。

 ブラショフ(Brasov)地区議会のAristotel Cancescu議長は、「ブラン城はブラショフ地区の大変重要な観光資源。5人のメンバーで構成される委員会を設立し、購入する手立てについて話し合うつもりだ」と語った。

 ブラン城は、共産主義政権時代に没収され、2006年5月に58年ぶりにルーマニア政府からハプスブルク家の末裔でメアリー王妃(Queen Mary of Romania)の孫に当たるドミニク・ハプスブルク(Dominic Habsburg)氏(68)に返還された。

 ハプスブルク氏は、ブラン城を少なくとも3年間は博物館として残すことで文化省と合意し、ルーマニア政府に売却する意向を示していた。しかしながら、同氏は、2006年12月に地元自治体に売却する意志を表明し、ブラショフ地区議会に同意書を送付した。

 アドリアン・イオルグレスク(Adrian Iorgulescu)文化相によると、ブラン城(美術収集品含む)の価値はせいぜい2500万ユーロ(約39億円)。ハプスブルク氏が提示した6000万ユーロは「法外な値段」だと語った。

 ブラン城は、1212年にチュートン騎士団によって建てられた。15世紀にはルーマニアのワラキア公であるブラド・ツェペシュ(Vlad Tepes)が一時期ここを居城とし、串刺し刑による粛正を行った。ブラム・ストーカー(Bram Stoker)の小説「吸血鬼ドラキュラ(Dracula)」のモデルにもなった。

 この城は1920年にメアリー王妃の手に渡り、王妃の別荘となった。以来、城はブラショフ地区の観光の目玉となっている。

 写真は、ブラン城の観光客。(c)AFP/DANIEL MIHAILESCU