【バグダッド/イラク 18日 AFP】16日にバグダッド市内の大学付近で爆弾テロがあり、教職員や学生など70人が犠牲となった。イラクではここ数年の間、大学の教授や講師らを対象にしたテロ攻撃が頻発しており、これまでの犠牲者は数百人に上っている。

 バグダッド大学経営学部のMohamed Naser教授は2005年、大学へ向かう途中で覆面をした男に撃たれ、幸運にも生き延びることができた。

 バグダッド大学のMohamed Naser教授

「男は銃を取り出すと、私を殺そうとして撃ち始めました。理由は分かりません。私は4発の弾丸を受け、車のガラス窓はすべて撃ち抜かれました」

 フセイン政権が崩壊して以来、大学の教師ら数百人が殺害されている。Naser教授は幸いにも生き残った数少ない一人だった。

 かつてはアラブ世界随一の高等教育レベルとされたイラクの大学教育の基盤が、一連の攻撃で揺らぎ始めている。

 President of the League of Iraqi Teachers(イラク教師連盟会長)のIsam Al Raoui氏

 「大学の教師を標的にするとは、テロリストもなかなか賢いですね。高等教育のないイラクを想像できません」

 教職員の誘拐事件も相次いでいることから、怯えた教職員らは家族とともに続々とイラク国外に脱出している。すでに数千人の教師らがシリアやヨルダンに移動したという。

バグダッド工科大学学長のHabib Hassan博士

「教師たちは夏休みを心待ちにしています。皆、夏になったら国外へ出て、そこで仕事を探して暮らしていくつもりなのです」

 全人口の約半数が20歳以下とされるイラクでは、現在、多くの授業が中止されている。テロリストらは、大学の教師らを攻撃対象にすることで、イラクの未来を担う次世代の若者の「教育」を攻撃しているのだ。