【東京 17日 AFP BB News】第136回芥川賞直木賞(日本文学振興会主催)の選考会は16日、東京築地の料亭「新喜楽」で開かれ、芥川賞に青山七恵さん
(23)の『ひとり日和』を選定した。直木賞は該当作がなかった。

 芥川賞を受賞した青山さんは1983年生まれ。東京新宿区の旅行会社に勤務する会社員で、今回初めて候補作にノミネートされていた。受賞作『ひとり日和』は、遠縁のおばあさんと暮らす若い女性がどうにか自立を見つけるまでの物語だ。

 午後6時過ぎから、選考委員の石原慎太郎氏と村上龍氏の2人が記者会見を行い、石原氏は「村上さんも私も今まで積極的に作品を推薦したことがなかったが、今回はめずらしく2人が青山さんの作品を評価した。選考委員8人のうち5人が『ひとり日和』を推した」と選考経過を説明、作品については「素直に読めた。都会のソリテュード(孤独)がニヒリズムに裏打ちされている」と講評した。

 また村上氏は「会話が過不足なく描かれている。寂しさを寂しいという言葉を書かずに見事に描いている。作者の視線の定まり方がとても良い」と高く評価していた。

 写真は千代田区の東京會舘で行われた記者会見で、受賞の喜びを語る青山さん。(c)AFP BB News