【ナイロビ/ケニア 16日 AFP】飢餓監視団体である米国国際開発庁(USAID)の飢餓早期警報システムネットワーク(FEWS NET)は10日、ソマリアの紛争とケニアにおけるリフトバレー熱の流行が「アフリカの角」地域の食糧安全保障を脅かしていると警告する声明を発表した。同地域では数十年来の政情不安で人道状況が悪化の一途をたどっており、こうした不安要素が食糧生産の回復を益々遅らせることになる、と声明は懸念している。

 FEWS NETは、ナイロビで発表した声明の中で、「食糧不足の地域が拡大する可能性」に憂慮を示した。「エチオピア、ケニア、ソマリアの遊牧地の状況は良くなりつつある。一方で、農業に適した気候が続いているにもかかわらず、多くの人々が今後最低6か月間人道支援を必要とする状況にある」

 2006年11月、国連(UN)は、長期にわたる干ばつのあとに大洪水に見舞われたエチオピア、ケニア、ソマリア3か国で約200万人が支援物資を必要としていると発表。

 一方ケニアでは、2006年12月に北部一帯でリフトバレー熱が流行し、少なくとも88人の死者が出たため、政府は人と家畜の移動を制限している。

■ 難民の足止めで状況は悪化

 ソマリア紛争も深刻な人道支援阻害要因になっている。ケニア政府は、1月初旬、エチオピア軍の支援を受けたソマリア暫定政府軍の攻撃を受けて敗走したソマリアの反政府勢力「イスラム法廷連合(Union of Islamic Courts、UIC)」の兵士たちの流入を阻止するため、ソマリアとの国境を閉鎖した。支援団体は、支援物資と難民が国境で足止めされることで、人道状況はさらに悪化する、としている。

 FEWS NETの声明は、「リフトバレー熱は、地域の経済や家畜の売買・消費に深刻な影響をもたらす。しかしその一方で、リフトバレー熱の蔓延防止策が、ソマリアからの避難民や家畜の流入、人道支援物資の供給を妨げる結果となっている。このまま放置しておくと、社会不安が蔓延し、家畜へのワクチン投与計画の遂行もままならなくなってしまう」と緊急措置の必要性を訴える。

 ソマリアでは、頻発する内戦や紛争で、避難民の数が40万人から100万人にまで増大している。その大半は、支援物資を入手できない状態にある。

 「ソマリアの状況が好転しても、リフトバレー熱が制圧されない限り、深刻な状況は続くだろう」とFEWS NETは警告している。

 写真は、国境閉鎖のためケニア国境で足止めにあう難民の家族。(c)AFP/KAREN CALABRIA