【パリ/フランス 13日 AFP】フランス映画の支援団体ユニフランス(Unifrance)は12日、会見を行い、2007年は中国・インドの映画市場に向けて、大々的なプロモーションを行うことを発表した。

■伸び悩んだチケットの売り上げ
 同日発表されたユニフランスの資料によると、2006年の海外映画市場での売り上げは、3億6900万ユーロ(約573億円)の前年に比べ23パーセントの急落で、3億ユーロ(約466億円)、5580万枚のチケット売り上げにとどまった。

 「この数字は、最近の10年間で見ると、悪い結果ではありません。むしろ、2001年の『アメリ(The Fabulous Destiny of Amelie Poulain)』のような一作のみの大ヒットではなく、多くの映画が平均的に好評だったことによる結果ですから、我々は評価しています」ユニフランスのマルガレット・メネゴス(Margaret Menegoz)会長は会見でこうコメントした。

■国際市場の動き
 フランス映画の最大の海外市場はドイツ、スペイン、イタリアを中心としたヨーロッパで、全体の48.5パーセントを占めている。次いで米国が25パーセントとなっている。

 しかし、中国も急浮上している。2006年のチケット売り上げは300万枚に終わったが、わずか3年間でほぼ0から300万枚にまで急増したことが注目されている。「一般的に海外では、フランスのコメディ作品はそっぽを向かれ、アート性の高いものが評価されますが、中国・ロシアの映画ファンは逆にフランスのロマンス・コメディを好むようです」メネゴス会長は語る。今年は北京、上海、南京、成都でフランス映画のPRイベントが開催される予定になっている。

 さらにインドについては以下のように語った。「今年はムンバイ、バンガロー、ハイデラバードに進出する予定です。インドでは国産映画が全市場の95パーセントを占ており、我々は他国の映画と競う必要はありません。インドへの売り込みはとてもエキサイティングな挑戦になると思います。インドでは現在多くの映画館が建設中で、映画にお金をかけられる中流階級の出現も目立っています。今こそ、フランス映画を売り込むときです」

 ユニフランスは、ベトナムと日本においてもPRを行い、ロシア、メキシコ、ハンガリーでは映画祭を企画し、ニューヨークやロンドンでのプロモーション活動はこれまで通りに行うという。

 写真は会見に登場したマルガレット・メネゴス会長(右)とルノー・ドヌデュードバーブル(Renaud Donnedieu de Vabres)文化大臣。(c)AFP/BERTRAND GUAY