ブッシュ政権のイラク新政策に、党内外から批判が殺到 - 米国
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【ワシントンD.C./米国 12日 AFP】ジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)大統領が10日発表した苦肉のイラク新政策について、民主、共和両党から批判が噴出している。ブッシュ政権は、米軍兵力をイラクに長期間とどめる考えはないと断言しているが、増派はベトナム戦争以来の大失策との酷評が相次いでいる。
■増派の狙いは、戦力強化によって治安維持の実現
ブッシュ大統領はイラク新政策に関する演説のなかで、増派の狙いは、戦力強化によって治安維持を実現し、イラクに潜伏するテロリストや武装勢力、民兵組織などを鎮圧するためことだとして、11月までにイラク治安部隊に治安権限を移譲すると述べた。
また、治安維持における米軍とイラク治安部隊の過去の努力は十分ではなかったと指摘し、初めて自らの過ちを認めた。しかし、米兵の死者はすでに3000人を超えており、厭戦気分が強い国民を納得させるのは難しい状況にある。
■上院外交委員会の公聴会では、主流派民主党が激しく非難
11日、コンドリーザ・ライス(Condoleezza Rice)国務長官が出席した米上院外交委員会の公聴会では、2万1500人に上る増派とイラン、シリアなどの介入要素をも排除していくとのブッシュ大統領の方針が、最大の焦点となった。
今回の公聴会は、民主党が議会主流派となって初の開催。議長を務めたジョー・バイデン(Joe Biden)上院議員は、実際的な政策を願う米国民の祈りは届かなかったとして、「大統領の戦略は、解決策にはならないだろう。悲劇的な過ちと言うしかない。さらに多くの米国民の命が失われ、兵士らはほとんど成功の見込みのない極限状態に追い込まれるだろう」と述べ、新政策を激しく非難した。
2008年の大統領選挙出馬を表明している民主党のクリストファー・ドッド(Christopher Dodd)上院議員も、新政策は「現実を直視していない」と酷評。
民主党は10日、新政策の是非を問う投票を本会議で行う意向を表明したが、軍事予算の削減については明言を避けている。
■共和党内部からも批判が噴出
批判の声は、共和党内からもあがっている。チャック・ヘーゲル(Chuck Hagel)上院議員は、「イラク新政策は、もしも本当に実行されれば、ベトナム戦争以来最も危険な外交政策上の失敗となる」と発言。
ノーム・コールマン(Norm Coleman)上院議員も、米兵の命がかかっており、新政策を支持するには「代償が大きすぎる」と述べた。
■ブッシュ政権側の主張は
こうした批判に対しライス長官は、指導力を疑問視されているイラクのヌーリ・マリキ(Nuri Malikii)大統領を支持するブッシュ政権の方針を弁護した。その一方で、「マリキ政権に残された時間がわずかだということを、首相本人も分かっていると思う」と述べた。
マリキ政権は、宗派間対立に断固たる対応を求める米国側の要請に、これまで応えられずにいる。ライス長官は12日、中東歴訪に出発するが、穏健派アラブ諸国に対し、イラク新政策への支持を訴えるためとみられる。イラク復興の総合調整に当たる新設の復興調整官には、ティモシー・カーニー(Timothy Carney)元駐ハイチ大使を指名している。
公聴会が行われた11日、ブッシュ大統領は、ジョージア(Georgia)州のフォートベニング(Fort Benning)陸軍基地を訪れ、軍人らを前に、「この新戦略は、すぐに収穫の得られるものではない。成果が出るにはしばらくかかる。だが長期的には、前向きな結果を期待できる」と新戦略を売り込んだ。
一方、ロバート・ゲーツ(Robert Gates)国防長官は、今回の増派の期間について触れ、一時的なものと見られるものの明確な答えは誰にもわからないと言葉を濁すと同時に、増派兵力のイラク入りに際しては事前にイラク側の状況をよく見るつもりだとも語った。また展開地域については、シーア派強硬派指導者のムクタダ・サドル(Moqtada al-Sadr)師の支配力が強い地域も含め、イラク全土が対象となると述べた。
写真は11日、ワシントンD.C.で行われた記者会見でのライス長官。(c)AFP/PAUL J. RICHARDS
■増派の狙いは、戦力強化によって治安維持の実現
ブッシュ大統領はイラク新政策に関する演説のなかで、増派の狙いは、戦力強化によって治安維持を実現し、イラクに潜伏するテロリストや武装勢力、民兵組織などを鎮圧するためことだとして、11月までにイラク治安部隊に治安権限を移譲すると述べた。
また、治安維持における米軍とイラク治安部隊の過去の努力は十分ではなかったと指摘し、初めて自らの過ちを認めた。しかし、米兵の死者はすでに3000人を超えており、厭戦気分が強い国民を納得させるのは難しい状況にある。
■上院外交委員会の公聴会では、主流派民主党が激しく非難
11日、コンドリーザ・ライス(Condoleezza Rice)国務長官が出席した米上院外交委員会の公聴会では、2万1500人に上る増派とイラン、シリアなどの介入要素をも排除していくとのブッシュ大統領の方針が、最大の焦点となった。
今回の公聴会は、民主党が議会主流派となって初の開催。議長を務めたジョー・バイデン(Joe Biden)上院議員は、実際的な政策を願う米国民の祈りは届かなかったとして、「大統領の戦略は、解決策にはならないだろう。悲劇的な過ちと言うしかない。さらに多くの米国民の命が失われ、兵士らはほとんど成功の見込みのない極限状態に追い込まれるだろう」と述べ、新政策を激しく非難した。
2008年の大統領選挙出馬を表明している民主党のクリストファー・ドッド(Christopher Dodd)上院議員も、新政策は「現実を直視していない」と酷評。
民主党は10日、新政策の是非を問う投票を本会議で行う意向を表明したが、軍事予算の削減については明言を避けている。
■共和党内部からも批判が噴出
批判の声は、共和党内からもあがっている。チャック・ヘーゲル(Chuck Hagel)上院議員は、「イラク新政策は、もしも本当に実行されれば、ベトナム戦争以来最も危険な外交政策上の失敗となる」と発言。
ノーム・コールマン(Norm Coleman)上院議員も、米兵の命がかかっており、新政策を支持するには「代償が大きすぎる」と述べた。
■ブッシュ政権側の主張は
こうした批判に対しライス長官は、指導力を疑問視されているイラクのヌーリ・マリキ(Nuri Malikii)大統領を支持するブッシュ政権の方針を弁護した。その一方で、「マリキ政権に残された時間がわずかだということを、首相本人も分かっていると思う」と述べた。
マリキ政権は、宗派間対立に断固たる対応を求める米国側の要請に、これまで応えられずにいる。ライス長官は12日、中東歴訪に出発するが、穏健派アラブ諸国に対し、イラク新政策への支持を訴えるためとみられる。イラク復興の総合調整に当たる新設の復興調整官には、ティモシー・カーニー(Timothy Carney)元駐ハイチ大使を指名している。
公聴会が行われた11日、ブッシュ大統領は、ジョージア(Georgia)州のフォートベニング(Fort Benning)陸軍基地を訪れ、軍人らを前に、「この新戦略は、すぐに収穫の得られるものではない。成果が出るにはしばらくかかる。だが長期的には、前向きな結果を期待できる」と新戦略を売り込んだ。
一方、ロバート・ゲーツ(Robert Gates)国防長官は、今回の増派の期間について触れ、一時的なものと見られるものの明確な答えは誰にもわからないと言葉を濁すと同時に、増派兵力のイラク入りに際しては事前にイラク側の状況をよく見るつもりだとも語った。また展開地域については、シーア派強硬派指導者のムクタダ・サドル(Moqtada al-Sadr)師の支配力が強い地域も含め、イラク全土が対象となると述べた。
写真は11日、ワシントンD.C.で行われた記者会見でのライス長官。(c)AFP/PAUL J. RICHARDS