【ラスベガス/米国 11日 AFP】利用者参加型ウェブサイトが世界で大流行する中、ポルノ業界もその波に乗じない手はない。10日から13日まで開催されている、アダルト業界では世界最大規模のトレード・ショー「AVNアダルト・エンタテイメント・エキスポ(AVN Adult Entertainment Expo)」には、現在流行しているソーシャル・ネットワーキング・サービスを利用した企業などが参加している。11日からは一般にも公開される。

 このエキスポに登場する新進企業は、露出の多い服装に身を包み、セクシーに振る舞う女性を見せるだけではない。彼らは、「ユーチューブ(YouTube)」、「マイスペース(MySpace)」などのサイトや、リアリティ番組のホームページなどでポルノ旋風を巻き起こしているIT企業なのだ。

■マイスペースのポルノ版が人気急上昇

 「マイスペースのポルノ版『xpeeps.com』がインターネット上にベータ版として登場したのは8か月前。今週中には正式版として公開される予定です」
 広報担当のDaniel Fairchild氏は語る。
「通常のマイスペースと同じようなチャット・ルーム、コミュニティに加え、『xpeeps.com』にはポルノ業界の募集職種一覧まであるんです」

 「ポルノ版だからね。ドラマ性を取り除き、子供たちを除外して、性を加える。そうすれば、xpeepsの出来上がりさ。大人が楽しむためのサイトだからね」
 AFPの取材に対し、同氏はこのように語る。同サイトは、ポルノ業界の関係者に加え、アマチュアやファンも参加できる。

 「ノースカロライナ州のある会社が、ユーチューブのポルノ版『PornoTube』を半年前に立ち上げました。ユーチューブは裸に関するものは一切出しませんが、我々のサイトはそれを出していくんですよ」
 Fairchild氏はこのように語る。リサーチ会社Alexisによると、ページビューでは、PornoTubeはトップ20以内に急上昇してきたという。
 
 設立2年目のRelaxx Entertainmentは、マイスペースで女性を募集し、「マイスペース・インベイダー」と呼ばれるポルノCDを製作した。このCDを利用することにより、視聴者は出演者のソーシャル・ネットワーク上のサイトを閲覧することもできるという。

 Relaxx EntertainmentのTom Ashley氏は次のように語る。
「マイスペースにインベイド(侵入)したんですよ。文字通りね。女性たちは、こんな勧誘はいつも受けているから、本物だと理解してもらえるまでにはしばらくかかりましたが」

 さらに同氏は付け加えた。
「出演する女性たちは、カメラの前で何をやるかによって、150ドルから300ドルの報酬をもらえるんです。CDは2週間後に発売が開始されます。インターネット上で海外からでも注文ができますよ」

■ネット上にポルノ企業がぞくぞく進出

 また、不動産企業3社が合同でWinkというネット上のポルノ企業を創設した。この会社はエキスポのわずか2日前にサイトを立ち上げた。
「不動産業は煮詰まってきましたからね。何か違う商売が必要だったんですよ。女性がたくさんいて、男性を選び、ベッドで“仕事”を済ませる。そういうサイトです」
Winkの共同創設者Brian Kavanagh氏はこう述べた。

 「ストリーム映像に出てくる男女は、Winkがインターネットを通して雇った人たちですよ。我々はこの分野で、リアリティ業界の頂点を目指します」
Nと名乗るWInkの別の共同創設者はAFPの取材に対しこのように語った。

 「料金は月額使用料のみで、ポルノ衣装の販売もオンラインで行なっています」とxpeeps.comのKavanagh氏は語る。

 また、NakedSword.comというサイトでは、筋肉質の上半身裸の男性が出演するゲイ専門のビデオがストリーム映像で視聴できる。

 MovieMonsterやU-Rentなど多くの企業は、オンラインでアダルト・ビデオの販売やレンタルを行ない、月額一定料金でDVDのレンタルを行なうNetFlixのポルノ版と銘打っている。

 PPV Networksはエキスポの初日に、ペイ・パー・ビュー方式のVOD(ビデオ・オン・デマンド)サービスを紹介し、拡大するポルノ業界に乗り込もうという構え。

 「主な利用方法は、オンライン配信とVODサービスです。従来型の店舗サービスは廃れていくでしょう」
アダルト・サイトYappo.comの代表はこのように語った。

写真は10日、AVNアダルト・エンタテイメント・エキスポで来場者たちにサインをするポルノ女優たち。(c)AFP/Robyn BECK