【ハンブルク/ドイツ 9日 AFP】ハンブルク(Hamburg)の上級地方裁判所は8日、2001年9月11日の米国同時多発テロ事件の殺人ほう助罪に問われているモロッコ人、ムニール・エル・モタサデク(Mounir el Motassadeq)被告(32)に対し、求刑通り、禁固15年の判決を言い渡した。

■一時は、証拠不十分で差し戻し

 同被告は2005年、国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)に関係したテロ組織に加わった罪で、禁固7年の刑を受けているが、世界貿易センタービル(World Trade Center)と国防総省(Pentagon)を狙った9.11同時多発テロで航空機4機の乗客計246人が死亡したことに関する「殺人ほう助」については証拠不十分で差し戻されていた。

 独連邦通常裁は2006年11月、殺人ほう助について同被告を有罪と認定し、量刑を改めるよう命じた。ただし、新たな証拠の検証や新たな証人の審問は実施しないとされた。

 そして、今回、検察側の要求通り、ドイツの刑法において同罪に適応される刑罰としては最も重い禁固15年が言い渡されたことになる。

■モタサデク被告は一貫して無罪を主張

 同被告は、ハンブルクに留学していた時、9.11同時多発テロの主犯格とされるモハメド・アタ(Mohammed Atta)容疑者を含む数人のテロリストと知り合ったとされる。裁判長は、判決理由で「被告はテロ計画で多数の死者が出ることを知り得ていた」と述べた。

 被告の弁護人は上告する方針を明らかにした。 同被告は、一貫して無罪を主張。判決が言い渡される直前にも「ハンブルクにはテロ組織など存在しなかった。不正な判決で、私の家族も私の将来も台無しになった」と弁論した。

 しかし、同被告が米国で飛行訓練を行っているアタ容疑者らへの銀行振込みを担当し、さらに同容疑者らの潜伏先を世話していたことが明らかにされている。

 ドイツの関係当局は、同被告を、服役を終えた時点でモロッコに強制送還する方針であることを示唆している。

 写真は8日、出廷したモタサデク被告。(c)AFP/POOL/FABIAN BIMMER