【バグダッド/イラク 4日 AFP】警察当局は3日、サダム・フセイン(Saddam Hussein)元大統領の処刑がビデオで隠し撮りされインターネット上に流出した問題の調査で、処刑監視人の1人を逮捕した。政府のHaider Majeed広報担当官が発表した。

 人道に反する罪で死刑判決を受けたフセイン元大統領は、2006年12月30日に処刑された。その直後、携帯電話のカメラで取ったと見られる元大統領の処刑場面の映像がインターネットに流出した。

 映像には、処刑台のフセイン元大統領の首に処刑用の縄を掛ける間、立会人の1人が、イスラム教シーア派の強硬派指導者ムクタダ・サドル(Moqtada al-Sadr)師の名前を叫び罵声を浴びせる姿などが写し出されている。

 宗派間の対立色が濃厚に現れている映像に、国内のスンニ派の間では激しい動揺と怒りの声が広まっている。こうした事態を受けて、イラク政府はこの映像を隠し撮りし、インターネットに掲載した人物についての調査を開始していた。

 写真はバグダッド市内の店で、携帯で隠し撮りされたフセイン元大統領の処刑映像を見るイラク人。(c)AFP/WISSAM SAMI