【9月16日 AFP】 プロ野球、ヤクルト・スワローズ(Yakult Swallows)のウラディミール・バレンティン(Wladimir Balentien)が15日、今シーズン56号、57号の本塁打を放ち、1964年に王貞治(Sadaharu Oh)氏が記録したプロ野球記録の55本塁打を49年ぶりに更新した。

 オランダ領キュラソー(Curacao)島出身で、米大リーグ(MLB)のシアトル・マリナーズ(Seattle Mariners)やシンシナティ・レッズ(Cincinnati Reds)にも所属した29歳のバレンティンは、神宮球場(Jingu Stadium)で行われた阪神タイガース(Hanshin Tigers)戦の初回に2点本塁打、3回にもソロ本塁打を放ち、スワローズの9-0の勝利に貢献した。

 王氏が樹立した本塁打記録は、2001年にはタフィー・ローズ(Tuffy Rhodes、米国)、2002年にはアレックス・カブレラ(Alex Cabreraベネズエラ)が並んでいた。

 王氏は、読売ジャイアンツ(Yomiuri Giants)に所属した1980年までの現役生活21年間で、プロ野球記録の通算868本の本塁打を放った。

 スワローズで3シーズン目を迎えたバレンティンは、球場を訪れた3万人を超える観客の前で「何が起こっているのか信じられない。最高の気分だった。この先の人生で2度と味わえないだろうね」

 また、試合後の記者会見でバレンティンは王氏を「とても尊敬する」と語り、「王さんの記録に並び、抜くことができたのは自分にとって格別な出来事だ」と続けた。

 現在、福岡ソフトバンク・ホークス(Fukuoka Softbank Hawks)の会長を務める73歳の王氏は「2試合にほぼ1本の本塁打は驚異的。この数字がどこまでいくのか楽しみにしている」とコメントを寄せた。(c)AFP