【8月8日 AFP】安倍晋三(Shinzo Abe)首相は7日、東京電力(TEPCO)福島第1原子力発電所から放射性汚染水が海洋に流出している問題は「喫緊の課題」だとして、対策に国費を投入する方針を表明した。

 原子力災害対策本部会議に出席した首相は「特に、汚染水問題は国民の関心も高く、対応すべき喫緊の課題だ」と発言。数十年を要するとの見方もある対策を東電任せにするのではなく、政府がより積極的に関与し、迅速に対応する必要があるとの考えを示した。

 過去数十年で最悪の原子力発電所事故から2年以上がたつ中、福島原発に関する東電の対応には批判が高まっている。

 政府の財政支援を得てどうにか経営を維持している東電は、先月になって初めて、放射性物質を含む地下水が敷地の外に流出していることを認めた。流出は事故の発生直後から続いていたとされ、経済産業省は1日あたりの流出量は300トンに上ると見積もっている。

 安倍首相は、増大する問題に対応するため追加資金の拠出を初めて確約し、流出を実際に止める措置を講じるため政府が対策に乗り出さなければならないと強調した。(c)AFP