【7月23日 AFP】米軍の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイ(Osprey)を乗せた民間輸送船が23日早朝、米軍岩国基地(山口県岩国市)に到着した。最近も相次いで墜落事故を起こし、安全性に懸念が持たれているオスプレイの配備に反対する住民らは抗議デモを行った。

 テレビは輸送船からオスプレイが陸揚げされる様子を生中継した。そのそばでは抗議デモが開かれ、参加者らは「オスプレイはいらない」「オスプレイはアメリカに帰れ」などとスローガンを叫んだ。

 オスプレイは岩国基地で点検を受ける予定。米軍は、10月から沖縄でオスプレイを本格運用する計画だが、沖縄県知事は安全性の疑問を指摘し、オスプレイの受け入れ拒否を表明している。

■安全性に懸念

 オスプレイは1990年代初めに多くの問題を抱えていたが、米政府は、技術的問題は克服されたとしている。米海兵隊もオスプレイを高く評価している。

 だが今年6月、米フロリダ(Florida)州で米空軍のCV22オスプレイが墜落し、乗員5人全員が負傷する事故が発生。米当局は、事故原因は機械的なトラブルではないと発表した。4月にも今回日本に運ばれたものと同じ型のMV22オスプレイがモロッコで墜落し、海兵隊隊員2人が死亡する事故が起きている。

 日本の地方自治体に米軍の配備計画を拒否する権限はない。だが沖縄県民からの強い反発が続けば、野田佳彦(Yoshihiko Noda)首相の支持率がいっそう下がる可能性もある。(c)AFP