【2月19日 AFP】数十人の裸の女性がイタリア首相を取り巻いて、首相を「その気」にさせようと競い合っている――イタリア紙レプブリカ(La Repubblica、電子版)は、少女買春などで起訴されたシルビオ・ベルルスコーニ(Silvio Berlusconi)伊首相が開催していた「ブンガブンガ(bunga bunga)」と呼ばれるパーティーについてこう描写した。

 レプブリカ紙は、捜査当局者からのリーク情報として、ベルルスコーニ氏の相手とされる渦中のポールダンサー、「ハート泥棒のルビー(Ruby the Heart Stealer)」ことカリマ・エル・マフルーグ(Karima El Mahroug)さんから聴取した内容を報じた。

   「夕食を終えるとわたしたちは地下のホールへ行き、そこでブンガブンガが開かれた。ブンガブンガの間は女性はみんなずっと裸だった。女性たちはベルルスコーニ氏に気づいてもらおうとして、どんどん大胆に性的なことをするようになって、競争しているようにみえた」(カリマ・エル・マフルーグさん)

 検察当局は、当時17歳だったモロッコ出身のマフルーグさんと性交渉をするためにベルルスコーニ氏が金銭を支払ったとしている。17歳の少女の買春はイタリアで違法にあたる。しかし、ベルルスコーニ氏とマフルーグさんは共に買春の事実はなかったと主張している。

 また、検察当局は、マフルーグさんが窃盗容疑でミラノの警察に逮捕された際、ベルルスコーニ氏が首相の地位を乱用して警察に釈放を働きかけたとみている。ベルルスコーニ氏は現在、少女買春と職権乱用の罪で起訴されている。

■「ブンガブンガはハーレムだ」

 レプブリカ紙によると、マフルーグさんは検察当局に対し、2010年2月に初めてベルルスコーニ氏の邸宅を訪問した様子を語っている。

   「その晩、ベルルスコーニ氏は、ブンガブンガについて、友人の(リビア最高指導者ムアマル・)カダフィ大佐(Moamer Kadhafi)のまねをしたハーレムなんだと言った。女性たちは裸になってベルルスコーニ氏に『肉体的満足』を与えなければならないのだと」

   「首相は書斎にわたしを連れて行き、ブンガブンガに参加すれば人生がまるっきり変わると、わたしを説得した」

 マフルーグさんは、1度目の誘いは断ったものの、3月に2度目に訪問した際は服を脱がないままでブンガブンガに参加したという。「わたしはそのときは脱がずに、性的な行動もしなかった。服を着ていた女性はわたし1人だった。それで、手持ちぶさたにならないようにと、(ノンアルコール飲料の)サンビターズ(Sanbitters)をそれ以来パーティーに持ち込むようになった」

 レプブリカ紙の記事には、ベルルスコーニ氏の服装についての言及はなかった。

   「ブンガブンガ」はイタリアでこの数か月間、数知れない物笑いの種にされているものの、同パーティーをめぐる犯罪容疑はこれまで1つもない。

 ベルルスコーニ氏の初公判は4月6日に開かれる。(c)AFP