【10月24日 AFP】スウェーデン北部ヨックモック(Jokkmokk)に住む、間もなく101歳の誕生日を迎えるアンナ・ルンドバール(Anna Lundvall)さんは、公営高齢者施設への入居を申し込んだが拒否された。ルンドバールさんが「健康すぎる」というのが拒否の理由だった。

 ルンドバールさんの73歳になる娘、グズルーン・エーク(Gudrun Ek)さんは22日、AFPの取材に応じ、自治体への怒りをあらわにした。「母はもうすぐ101歳だとは思えないほど頭はしっかりしています。でも(自宅では)自分の身が不安なんです」

 27日に101歳の誕生日を迎えるルンドバールさんは総じて健康体だが、視力が衰えているという。エークさんの説明によれば、ルンドバールさんは数か月前、転倒してけがをし1か月以上の入院生活を送ってから、1人暮らしに不安を感じるようになった。退院後、ヨックモックの自治体が運営する老人ホームに入居申請を行ったが、自治体側はこれを拒否。代わりに毎日の自宅介護サービス時間を延ばすことを提案したという。

「自宅介護では母は全く安心感を得られません。(高齢者用の救急)警報システムはありますが、それでは十分とは言えません」(エークさん)

 母親の世話をするため、1日に少なくとも4回はルンドバールさん宅を訪れているエークさん。「私だってもう若くはないんです」と訴える。母親の入居を認めるよう提訴したが、「あきらめてください」と告げられてしまった。だが、「101歳の母を『あきらめる』ことなんてできせん」とエークさんは言う。

 そんなエークさんも、今はルンドバールさんの誕生パーティーの準備に専念していると話した。

 一方、22日の時点で自治体からのコメントは得られていない。(c)AFP