フィリピン民間船団、中国が実効支配するスカボロー礁への接近断念 主催者
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【5月16日 AFP】フィリピンの市民団体を乗せた漁船団が、中国と領有権を争う南シナ海(South China Sea)のスカボロー礁(Scarborough Shoal)への接近を断念した。主催者が16日、発表した。
同礁はフィリピン・ルソン(Luzon)島の西約240キロにあるが、現在中国が実効支配しており、近海では2週間前にフィリピンの巡視艇などが中国海警局の船舶に放水銃で攻撃されたばかり。
漁船団は15日に出港。漁師らに燃料と食料を届け、フィリピンの領有権を主張するのが目的だと説明していた。
南シナ海の権益保全を訴える市民団体「アティン・イト(Atin Ito)」の広報担当者は16日、「先遣隊」が前日、スカボロー礁から46~56キロ離れた海域でフィリピン人漁師に燃料などの補給物資を届けたため、「任務は成功した」と記者団に語った。
. 同担当者は、スカボロー礁のフィリピン側の呼称「バホ・デ・マシンロック(Bajo de Masinloc、BdM)」に言及し、「「BdMにフィリピン人漁師はもういないため、アティン・イトは現海域で物資補給任務の最終行程を進める」と説明した。
また、先遣隊が物資を届けた後、「さまざまな中国船に追い払われた」との報告を受けたという。(c)AFP