【5月15日 AFP】グラミー賞(Grammy Awards)受賞歴のある米国のサックス奏者、デヴィッド・サンボーン(David Sanborn)さんが12日、前立腺がんによる合併症で死去した。78歳。自身のフェイスブックページで発表された。

 サンボーンさんは、ジャズ、ロック、ポップスのジャンルを飛び越えて活躍。ビルボード(Billboard)のジャズ・チャートで1位を獲得するアルバムを何作も発表する一方で、「ザ・ローリング・ストーンズ(The Rolling Stones)」、ポール・サイモン(Paul Simon)、エルトン・ジョン(Elton John)、エリック・クラプトン(Eric Clapton)らの国内ツアーに参加。ブルース・スプリングスティーン(Bruce Springsteen)とも共演した。

 生前のインタビューでは、「本物のミュージシャンは、ジャンルに縛られて考えている暇はない」と語っていた。

 その言葉通り、ポピュラーミュージックに参加した演奏曲も数々残している。

 フェニックス・ニュー・タイムズ誌は、音楽コレクターの大半がレコードで作品を所有していた1991年に、「レコード・コレクションの幅が30センチを超える人なら恐らく誰でも、デヴィッド・サンボーンの紛れもないサウンドを所有しているはずだが、そのことに気付いていない」と指摘している。

 サンボーンさんの最も印象的な演奏の一つは、デヴィッド・ボウイ(David Bowie)の「ヤング・アメリカンズ(Young Americans)」のイントロのリフだ。鮮烈なサックスソロの効果もあり、約50年前に作られたこの楽曲は今でも全く色あせて聞こえない。

 SNSによると、サンボーンさんが、がんと診断されたのは2018年。闘病しながら精力的に活動を続け、来年までコンサートが予定されていた。(c)AFP