【5月14日 AFP】中国外務省は14日、ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領が今週、習近平(Xi Jinping)国家主席の招待で中国を訪問すると発表した。

 プーチン氏は今月、通算5期目の就任式を終えたばかり。訪中は昨年10月以来、この半年余りで2度目。3月の大統領選で再選されてからは初の外国訪問となる。

 中国外務省の華春瑩(Hua Chunying)報道官によれば、プーチン氏は16~17日にかけて北京に滞在する。

 アナリストによると、ロシアはウクライナ侵攻をめぐり西側諸国からかつてない制裁を受けており、中国に対する経済的依存をますます強めている。中国側はロシアの安価なエネルギーの輸入、ロシア産天然ガスを中国に輸送するパイプライン「シベリアの力(Power of Siberia)」による安定供給を享受しており、両国の「無制限の」パートナーシップを称賛している。

 だがここへ来て米政府がウクライナ侵攻に絡み、ロシアに便宜を図る金融機関を国際金融システムから締め出す意向を示し、そうした制裁を恐れた中国の銀行がロシア企業への締め付けを始めた。年初に急増していた中国の対ロシア輸出は、3月から4月にかけて減少した。

 カーネギー国際平和財団(Carnegie Endowment for International Peace)ロシア・ユーラシアセンター(Russia Eurasia Center)のアレクサンドル・ガブエフ(Alexander Gabuev)所長はAFPに対し、「ロシアは中国のさらなる支援を求めているが、西側諸国との関係を危険にさらしたくない中国は消極的だ」と語った。

 今週の会談について専門家らは、両国関係をたたえる非常に象徴的なものとなると予想する。また、いくつかの協定に調印し、貿易の拡大を約束するだろうと述べた。

 しかし、プーチン氏は中国のロシア支援の盤石さをよく理解しており、一方の習政権はロシアを西側諸国に対する防波堤かつ米主導の世界秩序に対抗する同盟国として極めて重要視していると、アナリストらは指摘する。

 ガブエフ氏は「ロシアは、中国にとって西側諸国との結びつきがいかに重要かを理解している。それでも彼らは中国がロシアを見捨てたり、裏切ったりはしないと確信している」と両国の関係について述べた。(c)AFP