【5月13日 CNS】中国には約1700万人の視覚障害者がいるといわれる。「世界本の日」の4月23日に30人以上の視覚障害者が、内モンゴル自治区(Inner Mongolia Autonomous Region)の図書館に併設されたバリアフリー映画館を訪れ、ナレーターによる映画の朗読を楽しんだ。

 映画の上映は、俳優たちのセリフの合間にナレーターによる説明が入り、映画のストーリーが理解できるようになっている。映画ファンのマッサージ師、帥小平(Shuai Xiaoping)さんは「映画の上映会を楽しみにしていました。映画は私の人生を豊かにしてくれます。ナレーターによる映画の朗読を聞くと、映画の後も余韻に浸ることができますね」と満足した表情だ。

 王栄(Wang Rong)さんもバリアフリー映画館の常連で、その日は妻と一緒に来ていた。王さんは16歳の時の病気で視力をほぼ失った。「以前に映画を見たことがあるので色彩を覚えています。比較的簡単に映画の情景を理解できました」。長年、映画のナレーターを務めてきたス・リナさんは「私は彼らに光をもたらしたいと思っています」と話す。今では多くの視覚障害者たちと知り合いになり、ナレーションの仕事にやりがいを感じている。

 このプロジェクトは2017年3月に始まって以来、50本近くの映画を上映し、延べ3800人以上の視覚障害者が観賞したとされる。(c)CNS/JCM/AFPBB News