【5月7日 AFP】イスラム組織ハマス(Hamas)は6日、パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)での7か月に及ぶイスラエルとの戦闘について、最高指導者イスマイル・ハニヤ(Ismail Haniyeh)氏が仲介役を務めるカタールとエジプトに対し、「両国の戦闘休止案に同意する」と伝えたと発表した。

 ハマスの発表を受け、ガザでは街頭に繰り出した人々が歓声を上げながら祝砲を放ち、喜びの涙を流す人や「アラーアクバル(Allahu Akbar、神は偉大なりの意)」と唱える人の姿も見られた。

 ハマス幹部のハリル・ハイヤ(Khalil al-Hayya)氏は、カタールを拠点とする衛星テレビ局アルジャジーラの番組で、休戦案にはガザからのイスラエル軍の完全撤退、パレスチナ避難民の帰還、人質とイスラエル当局に拘束されているパレスチナ人の交換の3段階から成り、「恒久的な停戦」が目標だと説明した。

 カタール外務省は、休戦案の実現に向け、7日に代表団をエジプトの首都カイロに派遣すると発表した。

 イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相側は、ハマス側の回答は「イスラエルの要求と懸け離れている」としながらも、政府は「合意の可能性を追求するため」交渉担当者を派遣すると表明した。

 一方でイスラエル軍は、ガザ最南部ラファ(Rafah)での「地上作戦」に備えて住民に退避を重ねて呼び掛けた。同軍のダニエル・ハガリ(Daniel Hagari)報道官はこの日、「ラファのテロ拠点50か所以上を空爆した」と語った。

 これに対し、武装組織「イスラム聖戦(Islamic Jihad)」は、ガザからイスラエル南部にロケット弾を発射したと明らかにした。

 ラファのクウェート病院は、7日早朝にイスラエル軍の攻撃で少なくとも5人が死亡したと報告。目撃者やパレスチナの治安情報筋によれば、ラファはイスラエル軍による激しい攻撃にさらされている。

 米国のジョー・バイデン(Joe Biden)政権は6日、休戦案を受け入れるとするハマス側の回答を評価中だとする一方、ネタニヤフ首相に対し、ラファへの地上侵攻を思いとどまるよう改めて要請。

 国連(UN)のアントニオ・グテレス(Antonio Guterres)事務総長は同日、ラファへの地上侵攻は「言語道断」だとし、イスラエルとハマスに対し、休戦合意に向けて「一層の歩み寄り」を呼び掛けた。(c)AFP