【5月4日 AFP】米国のジョー・バイデン(Joe Biden)大統領が同盟国である日本を競争相手である中国やロシアと同列に並べて「外国人嫌い」だと発言した問題で、日本政府は3日までに、「正確な理解に基づかない発言があったことは残念だ」と米国側に申し入れた。

 バイデン氏は先月、岸田文雄(Fumio Kishida)首相を国賓として迎え、公式晩さん会を開いて手厚くもてなしたばかりだが、1日の資金調達イベントでは、同盟国の日本とインドを競争相手の中国とロシアと並べて、経済が低調なのは「外国人嫌い」で移民を拒否しているからだと主張。

「なぜ中国が経済面でこれほど失速しているのか? なぜ日本やロシア、インドが問題を抱えているのか? 彼らが外国人嫌いで、移民を望んでいないからだ」「わが国の経済が成長している理由の一つは、(ここにいる)皆さんや他の多くの人々のおかげだ。つまり、わが国が移民を歓迎しているからだ」と語った。

 これに対し日本政府は、「日本の政策の正確な理解に基づかない発言があったことは残念だ」と米国側に申し入れ、日本の政策や立場について改めて説明したという。

 バイデン氏の予想外の日本批判を受け、ホワイトハウス(White House)は釈明に追われた。

 国家安全保障会議(NSC)のジョン・カービー(John Kirby)戦略広報調整官は2日の会見で、「大統領が意図していたのは、米国は移民の国で、それがわれわれのDNAに組み込まれているということだ。世界中の人々が認識していることだと思う」「同盟国は、大統領がどれほど彼らを尊重し、友好関係を大切にし、貢献を評価しているかよく分かっている」と述べていた。(c)AFP