避妊具強制装着のトラウマ グリーンランド先住民女性が語る
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【9月4日 AFP】ブリッタ・モーテンセンさん(63)は15歳の時、子宮内避妊具(IUD)を強制的に装着された。
「両脚を広げられ、中に入れられた時は、ものすごく痛かったです」と語る。
植民地からは脱したものの依然、デンマークの支配下にあったグリーンランドでは、先住民に対する人口抑制策が実施され、先住民女性はIUDの装着を強制された。モーテンセンさんは犠牲となった数多くのイヌイット(Inuit)の一人だ。
デンマークの公共放送DRによると、この処置を強制された女性は約4500人に上る。
1974年、モーテンセンさんは生まれて初めて、家族で住んでいたグリーンランド西端の漁村イルリサット(Ilulissat)を離れた。村には高校がなかったため、デンマークで学業を続けることにしたのだ。
「私が行ったのは(中略)寄宿学校でした。そこで女性の校長にIUDをつけるよう言われたのです。私は嫌ですと言いました」。モーテンセンさんは生家の前に立ち、当時を振り返った。
校長に「嫌でも何でもIUDをつけさせます」と言われた時の心の痛みは、今でもはっきり覚えている。
数千キロ離れた実家の両親は同意を求められることはおろか、一切知らされることもなかった。
ある秋の日、モーテンセンさんは医師のところに連れて行かれた。用意されていたIUDは「経産婦用で、私のような年齢の少女向けのものではありませんでした」。
この「暴行」体験の後、モーテンセンさんはただ沈黙することを選んだ。寄宿学校の他のグリーンランド出身の少女たちが同じ目に遭っていることはまったく知らなかった。
「恥だと思っていました。誰にもその話をしたことはありませんでした」