【4月29日 AFP】米政府は28日、北朝鮮による日本人拉致被害者救済のための日本の取り組みを全面的に支援する方針を明らかにした。両同盟国間には過去にこの問題をめぐり亀裂が生じていた。

 米国務省のロバート・ウッド(Robert Wood)報道官は記者団に対し、「米国は拉致問題に関する日本の立場を心から支援する。われわれは拉致被害者とその家族の苦しみを忘れていないし、これからも決して忘れることはない」「朝鮮民主主義人民共和国に一刻も早くこの問題に対処するよう要請する」などと述べた。

 共和党のエド・ロイス(Ed Royce)下院議員も、バラク・オバマ(Barack Obama)大統領に対し、人権問題を北朝鮮政策の最優先課題にするよう要請。米同盟国の韓国など幾つかの国は核問題をめぐる協議を進めるためには人権問題を後回しにするべきだと考えていると非難した。

 これに先立って27日、北朝鮮問題を担当する米国のスティーブン・ボズワース(Stephen Bosworth)特別代表とソン・キム(Sung Kim)6か国協議担当特使が、拉致被害者家族数人と面会している。

 また、28日の米ニューヨーク・タイムズ(The New York Times)紙には、「北朝鮮という名前の地獄」を見過ごしてはいけないと呼びかける、日本の有識者団体によるバラク・オバマ(Barack Obama)米大統領にあてた公開書簡が掲載された。公開書簡は日本で募金をつのって作られたもので、「私たちは民主主義、基本的人権を北朝鮮に行き渡らせることが、拉致被害者を救出するだけでなく、北朝鮮の民衆への幸福をもたらすと信じます」と訴えている。(c)AFP