冥王星、太陽系の惑星から「降格」
【プラハ/チェコ 25日 AFP】冥王星は、70年間固守してきた「太陽系のいちばん外側に位置する9番目の惑星」の座から降りることになった。国際天文学連合(IAU)の24日のこの決定により、世界中の教科書が書き換えられることになった。
IAUは24日の総会で、太陽系の惑星を「水金地火木土天海」の8個として冥王星を惑星から外す案を賛成多数で可決した。冥王星は、惑星とは別に新しく設けられた「矮(わい)惑星」というカテゴリに入ることになった。
冥王星の地位については、その小ささと離心軌道ゆえに「惑星とは言えない」とする天文学者との間で、議論が続いてきた。こうした「反・冥王星」派は、冥王星の軌道の外側に冥王星と同じ大きさを持つとされる2003 UB313(仮称ゼナ)が発見されたことで勢いづいた。冥王星が惑星ならば、2003 UB313も惑星ではないか、という論理である。
ここ数年の天体望遠鏡の高性能化、スキャニング技術による分析の高精度化が、冥王星をめぐる長く白熱した議論に一層拍車をかける結果となっている。冥王星が惑星ではなく「太陽系を回る岩石の1つにすぎない」とする案も、そうした「高度化した研究」の産物だ。
IAUは、惑星を「軌道近くに他の天体がない、つまり軌道近くの岩石や塵を引き寄せるに値する重力を持つ天体」と定義した。冥王星については、「『海王星外天体』の重要な典型」という、矮惑星の中でも特別な地位が与えられた。惑星の候補とされていた2003 UB313や大型小惑星セレスは、今や「矮惑星」の候補である。
英国の代表Michael Rowan-Robinson氏は、この決定は一般社会に大きな混乱を与える可能性があると指摘する。さらに、いつ果てるともない難解な議論を繰り返してきた天文学者は「愚か者」に見えるのでは、と危惧する。惑星定義委員会のRichardBinzel氏は、「数年以内に矮惑星はあらたに40個発見されるだろう。知識は増える一
方で、コップから溢れそうだ。だから新しい知識と歩調を合わせていくことが重要だ」と語る。したがって「冥王星の降格は大した問題ではない」と語る。
冥王星は、1930年2月18日に米国人天文学者クライド・トンボー(Clyde Tombaugh)氏(24)により発見された。これにより84年前の海王星の発見以来の「太陽系の境界線」が引き直された。冥王星の公転周期は247.9年。楕円軌道のため、うち20年間は海王星の軌道の内側を回ることになる。衛星は1978に発見されたカロン(Charon)と、2005年にハッブル宇宙望遠鏡で発見されたニクス(Nix)、ヒドラ(Hydra)の計3個。
米航空宇宙局NASAは、1月19日に人類初の冥王星探査機「ニュー・ホライズンズ(New Horizons)」を打ち上げている。冥王星には2015年に到着予定。同探査機は、1997年1月に亡くなったトンボー氏の遺灰も積んでいるという。
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