【7月2日 senken h】俳優の伊勢谷友介らが立ち上げた「リバースプロジェクト(Rebirth Project)」は、廃棄されてしまう素材などにデザインを加えることで新たな価値を生み出し、再び世の中に循環させる取り組みだ。このたび「リー(Lee)」との協業で立ち上げた「リーバースプロジェクト」では、さまざまな理由から廃棄されるデニムに新たな価値を付け「再生」に取り組んでいる。

(vol.1の続き)
―慈善事業や会社の社会的責任として行われていることが多いエコやリサイクル活動を法人化し事業にしたのは。
リバースプロジェクト 代表 伊勢谷友介(以下I):エコも、言葉が先行し過ぎている感もある。資本の大きな会社では慈善事業としてエコ活動が出来るかもしれないけど、うちのような小さい会社ではそうはいかない。株式会社としたのも、人間にも社会的にも環境的にも、現状以上に良くしていく行為やシステムがビジネスとしてまわるはずということを証明したいから。もちろん、まだまだ成り立っているとはいえない。でも将来的にはきちんと会社として業績をあげ利益を分配できるようにしたい。エコがなかなかビジネスに結びつかないのは、ボランティアのようにタダで成り立つべきものというイメージが強いからではないか。うちもお金もうけが一番にあるわけではありません。けれど、会社として成り立たせ、継続していくためには当然事業を通して利益を出さなければならない。

 リバースプロジェクト 副代表 龜石太夏匡:僕らのすべてのプロジェクトは共感してくれる企業や人があってこそ成し遂げられる。ただこのビジネスモデルが成功すれば、必ず追随して起業するところが出てくるでしょう。

 理想は、地球が永続できる循環への回帰。つまり、今の資本主義社会の中で継続可能な社会生活システムを提案する事です。そして、同時にそれが出来る会社であるという、ブランド力を作っていかなくてはならない。そのためには意思を込めた価値ある商品を作っていく必要があります。今のプロジェクトと僕らが考える理想との間には、規模的にも大きなギャップがあることは分かっています。でも誰かが始めなくてはならない。だったら、米粒のような小さなことでも、自分たちが出来ることをやっていこうと。そして、僕らの活動を知ってもらった多くの人にも、リバースプロジェクトがひとつのアクションを起こすきっかけになればと思っています。将来の大きな目標は、村を作ること。それは衣・食・住を柱として水やエネルギーを生み出す「生活の場」、社会そのものです。今までの社会を見つめなおして、未来に向けて新しい生き方を実践する場をつくることが出来ればいいですね。

■ 「LeeBirth Project Launch Party」

 「リー」と協業した「リーバースプロジェクト」のお披露目となるイベントが行われた。このたび販売されるのは、リーの倉庫で眠っていた型落ち品に、リバースプロジェクト考案のデザインを加えて再生したジーンズ。稲妻をモチーフにした図柄は、AED(自動体外式除細動器)の電気ショックをイメージし、「再生」の意を込めた、プロジェクトを具現化したデザインとなっている。またこのイベントでは、商品の展示、販売予約をはじめ、リージャパンのディレクターである細川秀和氏と、リバースプロジェクトメンバーによるトークセッションを開催。DJには話題の国内レーベルTimothy Reallyが参戦し、記念すべきプロジェクト発表の夜を盛り上げた。(c)senken h

【関連情報】
デニムの再生から見えてくる未来のカタチ/リーバースプロジェクト(1)
特集:senken h 104
リバースプロジェクト 公式サイト
リー 公式サイト