【12月22日 MODE PRESS】仏・高級宝飾ブランドのカルティエ(Cartier)が世界中のアーティストたちとコラボレーションする「LOVE」コレクションは2011年、フランスのデュオユニット AIR(エール)と米ニューヨークの映像制作グループWaverly Films(ウェイバリー)とビデオクリップ「Painted Love」を完成させた。カルティエ「LOVE」のテーマでもある“How far would you go for LOVE? ”の問いかけにAIRとWaverly Filmsが作品を通して語りかける。今回は先日来日したAIRのニコラ・ゴダン(Nicolas Godin)に話を聞いた。

■理想と現実の狭間、葛藤と感情を曲に

 作品のなかに描いた“愛”というのは、理想化された愛。まさに永遠の愛といってもいい。そういったものを常に僕らは追い求めていて、その度にガッカリする。理想を追い求めても、それが現実的ではないと頭ではわかっているのに、つい追い求めてしまう。理想を持っていると、どうしても現実と比較してしまうので、結局はガッカリしてしまうんですよね。作品のなかの画家は、最終的に理想の女性を自分の絵の中に描くしかなかった。例えばクラブに行って女の子と出会っても、自分が探している理想の女性とはやはり違う。自分自身で絵に描くしかなかったという風になるわけです。これって現実世界でもありがちな話でしょ?そんなもどかしくも、儚い愛の形を音楽でどう表現するか、それには画家がどういう気持ちでどんなことを頭で考えているのかを理解する必要があった。1年近くの時間を費やして、映像の監督・演出家、カルティエと話し合いをしながら完成しました。

■カルティエとの必然的な出会い

 男性と女性が地球に存在する限り、愛が存在し、愛の歴史や経緯というものが人それぞれにある。そこで宝石を贈ったりする行為は日常生活でもよくあること。例えばセルジュ・ゲンズブール(Serge Gainsbourg)とジェーン・バーキン(Jane Birkin)のカップルもカルティエの宝石を贈ったという話は有名でしょ。そういう意味で、カルティエはフランスの文化の一角をなしていると思います。“AIR”の頭文字は愛(AMOUR)・イマジネーション(IMAGINATION)・夢(REVE)ですが、そういった点においてもカルティエと僕らは必然的な出会いだったんだと感じています。今回の映像を見ても、本当にぴったりとマッチングしているし、互いが引き寄せたんだなと確信しました。【岩田奈那】(c)MODE PRESS

【関連情報】
<Party>カルティエが「LOVE」をテーマに一夜限りのミュージックイベント開催
Youtube:ビデオクリップ「Painted Love」<外部サイト>