2007年10月4日、パリ市内で発表されたイヴ・サンローラン(Yves Saint Laurent)の08年春夏コレクション。(c)AFP/PIERRE VERDY
【パリ 5日 上間常正】08年春夏パリ・コレクションは5日目の10月4日、イヴ・サンローランやセリーヌ、ズッカなど10 ブランドのショーが開かれた。パリでもゆったりとしたナチュラルな感覚が主流になる中で、それとはニュアンスの異なる洗練されたシャープな新しい造形の服も出ている。
■イヴ・サンローラン(Yves Saint Laurent)
先シーズン、サンローランは過去のアーカイブを新しいシンプルなパターンで再生することで、今年秋冬の「モダンクラシック」のトレンドをリードした。今回はそうした手法をさらに進化させ、シャープでかつ優雅なシルエットを作り出した。
このシャープな造形には、サンローランの重要な遺産の一つでもあるメンズテーラードの女性服への応用が生かされている。今回のショーでは特にさまざまに再構築してシンプルに作りなおしたジャケットがそれを表していた。袖をすっぱり落としてベストのように見えたり、絶妙のカーブを描いたりするジャケットが印象的だった。
またさりげないタックやドレープで微妙なアシメトリーに造形された、揺れるようなドレスもうっとりするほど優雅で美しかった。こうしたコレクションの中では、ジャージの灰色のスエットやTシャツもエレガントに映る。星の形をモチーフにした多色遣いのアクセサリーの使い方も、ポップでモダンに見えるが実はサンローランの過去の手法の一つだった。
デザイナーのステファノ・ピラーティ(Stefano Pilati)は、クラシックな形を徹底したパターンの再構成と素材選びによって新しい服を作りだす方法を確立し始めたようだ。パリ・コレはまだ半ばを過ぎたばかりだが、サンローランは今シーズンも間違いなくベストコレクションの最有力候補の一つだ。
■セリーヌ(CELINE)
ナチュラルといえば、ゆったりとしたシルエットとカラフルな色使いということになる。だが、セリーヌはそれとは違う解釈をした。デザイナーのイヴァナ・オマジック(Ivana Omazic)は、「現代人にとっては、都会こそが自然」と考えたのだという。そのため、服は機能素材を使ったような直線的な構成となった。
使われた素材は、ごく薄いジャージや防水加工をしてケミカルに見えるシルクなど。人間の骨格を表現したような直線的な切り替えを施したスポーティーな服が並んだ。色も白やグレーがほとんどで、ときたま鮮やかな朱が混じる程度。現代の都市の本質的な色彩はそういうものということなのだろう。
■ジャンバティスタ ヴァリ(GiAMBATTiSTA VALLi)
優雅なドレスのように見える黒のカバーオールは、微妙なドレープとボリューム感で味付けされている。ピンクのドレスにも袖口のボリュームがアクセントに。ジャンバティスタ・ヴァリの新作は、キュートでセクシーな雰囲気があって同時にロマンチック、しかもシンプルな絶妙の出来だった。
こうした構成力のコレクションでは、ピンクの水着の上に重ねたオーガンジーの薄いコートや手絞りのプリーツドレスが全く嫌味なくフェミニンにみえた。(c)MODE PRESS
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