2007年9月26日、イタリア・ミラノ市内に掲げられたオリビエーロ・トスカーニ(Oliviero Toscani)による反やせすぎをうたった広告。(c)AFP/CHRISTOPHE SIMON
【9月28日 AFP】イタリアで展開されている「やせ過ぎ」に警鐘を鳴らす広告に対して、フランスのファッション業界が二分する事態となっている。高級志向のオートクチュール業界はこの広告を「スキャンダラスだと見ている一方、プレタポルテ業界では、やせ過ぎのモデルをファッション業界からなくすための動きとして歓迎している。
29日から08年春夏パリ・コレクションがスタートするフランスでは、これまで「やせ過ぎ」モデルのショー出場、雑誌、広告ポスターへの登場を規制する動きは起きていない。
■広告モデル「病気を通じメッセージを送りたい」
写真家オリビエーロ・トスカーニ(Oliviero Toscani)氏は、身長165センチ、体重わずか32キロの仏人女性イザベル・カーロ(Isabelle Caro)さんをモデルに起用。伊アパレル「NOLITA」がスポンサーについたこの広告には、「やせ過ぎに“No”」というスローガンが描かれ、24日から全国の広告看板や雑誌に登場している。
モデルとなったカーロさんは、「この機会に、私の病気を通してメッセージを送ることができればと思った。『やせていること』が表すイメージと、それが引き起こす死の危険性を伝えたい」と語った。
■オートクチュール協会「品位を落とす」
パリオートクチュール協会(The French Couture Federation)のディディエ・グランバック(Didier Grumbach)会長は、「この広告が、フランスでなくて良かった。これは、本当にスキャンダルなもの。人々の病気を使って、名声を得るのは悲しいこと。我々が目にしているのは、非常に深刻な社会問題に打撃を与える、ブランド側の扇動です」
「この女性はモデルではありません。これは低俗な行いであり、品位を落とすものです」
■プレタポルテ協会「見せる必要がある」
しかし、仏婦人プレタポルテ協会(The French Federation of Women’s Ready-to-Wear)のJean-Pierre Mocho会長は、「人々に(拒食症を)見せなければ夕食の際の会話程度で終わってしまっていただろう。みんなに悲劇を見せる必要がある」と反対の姿勢を見せる。
Mocho会長は、やせたモデルを起用することと拒食症との関係性に関して世界の関心が高まっているのに合わせ、フランスでも同様の関心を起こすような断固とした手段を求めているとし、「企業の規模に関わらず、手段は講じられるべき」と語った。
さらに会長は、「指針は示すが法的条件を含まない」文書作成に向けフランスが動いていることに懸念を示している。
■国際モデル事務所組合「拒食症とモデルをまとめるべきでない」
06年に起きた南米出身のモデル2人の死亡をきっかけに「やせ過ぎ」問題への関心が高まる中、仏オートクチュール業界とプレタポルテ業界の指導者らは、保健・連帯省が1月に発足させたワーキンググループに加入した。しかし、同省関係者によれば、5月に作成された「身体イメージに関する文書」の微調整を行うための協議は延期され、10月まで開催される予定はないという。
フランスのモデルエージェンシーは、政府の認定を受けねばならず、16歳以下のモデルを起用する場合は、定期的な検診を受けさせ、政府から特別許可を取得しなければならない。
国際モデル事務所組合(National Union of Model Agencies、UNAM)のIsabelle Saint-Felix会長は、この広告を知らないが「拒食症とやせたモデルをひとまとめにすべきではない」と語った。
「フランスではモデル事務所に関する特別な法令がある。ほかの何よりも、こういった法令を推進するために、我々は行動すべきです」(c)AFP
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