2007年05月18日 23:49 発信地:フランス![]()
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【パリ 18日 AFP】かつては男らしさ、社会的地位を象徴するシンボルだったネクタイだが、近年ではライフスタイルの変化に伴いその力は失われつつある。
今日、例外的なネクタイの愛用者を除けば、レストランや、パーティーにきちんとネクタイをしていく人は少ない。ファッション通のマチュー・ドゥバレ(Mathieu Duballet、27)さんは、毎朝20~30本あるお気に入りの中から、スーツとシャツに合うネクタイを選び、出勤するという。「ネクタイは洋服に合っていなければならない」とドゥバレさん。そんな彼でも、パーティーや友人との夕食にはネクタイを外して行くという。
■アパレル業界人が語るネクタイの今
パリのオートクチュール界やアパレル業界の人々によれば、ネクタイは新たな形で復活の兆しにあるという。
仏大手デパート「プランタン(Printemps)」でメンズアパレル部門のバイヤーを務めるFranck Nauerz氏は、「ネクタイは衰退気味だったが、最近回復傾向にある。ネクタイが通勤として復活することはないと思うが、ファッションアイテムとして存在し続けるのでは」 と語る。
同様に、仏大手デパート「ギャラリー・ラファイエット(Galeries Lafayette)」のバイヤーであるヘレン・パストゥール(Helene Pasteur)氏も「売り上げは実際落ち込んでいるが、全く売れないというわけではない。しかし、“カジュアルな通勤服”という価値観が登場したため、現在ではスーツやシャツを買っても、それに合わせたネクタイを買わない人がほとんどだ」と述べる。
8000種類あるネクタイと合わせて襟・シャツ・スーツをオーダーメードできる「シャルヴェ(Charvet)」のマネジャー、Anne-Marie Colban氏は、ネクタイの売り上げについて、「売り上げが落ち込んでいるという話は聞くが、実際にそう感じたことはない」 と語る。
■人気のネクタイは「細身」で「無地」
エディ・スリマン (Hedi Slimane)をはじめとするデザイナーたちは、過去数シーズンにわたってゆるく結んだ細いネクタイをコレクションに取り入れてきた。これは英ロックバンドのフランツ・フェルディナンド(Franz Ferdinand)やスウェーデンのロックバンド、ハイヴス(The Hives)といった著名人らや、ビートルズ(The Beatles)をはじめとした60、70年代のモッズ(Mods)時代に着想を得たもの。幅が9cmある伝統的なネクタイに比べ、最近のネクタイは幅が4~6cmで無地のものが主流だ。
Nauerz氏は、ドルチェ&ガッバーナ (Dolce&Gabbana)、ジョルジオ・アルマーニ(GIORGIO ARMANI)、ディオール・オム(Dior Homme)、カルバン・クライン(Calvin Klein)、ポール・スミス(Paul Smith)らを例に挙げ、「最近、このようなネクタイを買う若者は多い。デザイナー達が新しい色、生地、デザインを提供することで、ネクタイが堅苦しいものでなくなった。オートクチュール界がネクタイを切り捨てることはないだろう」と語った。
■ネクタイの復活が映し出す時代の変化
男性ファッションの歴史に詳しい研究者のFarid Chenoune氏は、ネクタイに関心を持つデザイナーが増えている理由を「郊外のヒップホップスタイルと都市部のハイクラスなスタイルとの間に存在する衝突の一部分」だという。
「ジャケット、シャツ、ネクタイという“都市のエレガンス”を再主張する流れがある。郊外と都市部のファッションの間には、潜在的に政治的要素を含むある種の闘いが存在する。若者を通したネクタイの復活は、都市部のファッションと都市の若者のあり方を表すもの」とChenoune氏。
Chenoune氏によると、ネクタイの復活は5、6年前に若者の間で起きたジャケットとシャツの復活に続くもの。すり切れたネクタイをゆるく結ぶのが近年の流行のように、2000年にはシャツのボタンを外したり、シャツをパンツやセーターから出して着ることが流行だった。「ネクタイの復活は、ひとつの世代が発信するある種のメッセージだ」と同氏は付け加えた。
写真は、2006年7月4日に行われた07年春夏パリメンズコレクションで新作を披露するディオール・オム(DIOR HOMME)。(c)AFP/PIERRE VERDY
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