写真は2007年4月10日に撮影されたドイツ・ベルリン市内のプーマ販売店。(c)AFP/CLEMENS BILAN
【パリ/フランス 16日 AFP】ラグジュアリー・ファッションとスポーツウェアが別々の道を歩む時代は終わった。現在シャネル(Chanel)やエルメス(Hermes)といったトップブランドがスポーツウェアを手がけ、ナイキ(Nike)やアディダス(Adidas)などのスポーツメーカーが有名デザイナーとのコラボレーションに盛んに取り組んでいる。
10年前から仏スポーツメーカー ロシニョール(Rossignol)とコラボレーションを始めたジャンシャルル・ド・カステルバジャック(Jean-Charles de Castelbajac)を筆頭に、アディダス(Adidas)とヨウジヤマモト(Yohji Yamamoto)のコラボレーションブランドY-3、同じくアディダスと2010年まで契約を結んだステラ・マッカートニー(Stella McCartney)など、スポーツとファッションの融合は両業界で主流の現象となってきた。
■PPRのプーマ買収が示す、スポーツとラグジュアリーの今後
その流れを決定づけるように、先日はグッチ(Gucci)やイヴ・サンローラン(Yves Saint Laurent)を傘下に置く仏流通大手PPRが独スポーツメーカー プーマ(Puma)を買収すると発表した。
一時は倒産の危機もあったプーマは、1998年にジル・サンダー(Jil Sander)とのコラボを皮切りに様々なデザイナーとタッグを組むことで息を盛り返した。現在ではマドンナ(Madonna)やキャメロン・ディアス(Cameron Diaz)といった著名人がロゴ入りアイテムを着用する人気ブランドに成長した。
すでに27.1%のプーマ株を取得したPPRのフランソワ・アンリ・ピノー(Francois-Henri Pinault)CEOは、プーマがラグジュアリーのアイコン的ブランドになると確信している。
スポーツ用品市場に向けた専門書出版社「Sporting Goods Intelligence」のEugenio Di Maria氏は、「プーマはマーケットで一番魅力的なブランド。スニーカーの利益率は、グッチのような高級ブランド商品と似ている」とコメント。
■スポーツとファッションの歴史
1896年のアテネオリンピック前後に誕生したスニーカーは、1930、40年代頃から社会的な地位を確立し始めた。マレーネ・ディートリッヒ(Marlene Dietrich)やグレタ・ガルボ(Greta Garbo)といった女優たちがマスキュリンなスーツにスニーカーを合わせ、その30年後にはローリングストーンズ(Rolling Stones)のミック・ジャガー(Mick Jagger)がスニーカー姿で結婚式を上げた。
1980年代になると、スニーカーはより技術的にも進化してくる。アメリカのプロバスケットボール選手マイケル・ジョーダン(Michael Jordan)が宣伝した商品は、スタジアムからストリートへと広まり爆発的な人気に。スマートなスーツスタイルにスニーカーを合わせるといったコーディネートも、パリやロンドンなどの都市を中心に見慣れたものとなった。
テニスブランドからはじまったラコステ(Lacoste) やルコックスポルティフ(le Coq sportif)、ダンスシューズで有名なレペット(Repetto)。そして普段着としても人気を誇るリーボック(Reebok)、アディダス、ナイキ。各スポーツメーカーは商品の幅を広げ、最後までスニーカーに対する抵抗心をみせた人々の心までをもつかむことに成功した。
スポーツアイテムの流行は、ラグジュアリーブランドにもインスピレーションを与えた。シャネルは、ロゴ入りのテニスシューズ、スキー用品、バスケットボールを発表。クリスチャン・ディオールはゴルフ用品を手がけ、エルメスはブランドのルーツである乗馬用品を展開。アレキサンダー・マックイーン(Alexander McQueen)はプーマと組み、一足600~800ユーロ(約9万7000~13万円)のコラボスニーカーを発表した。
■PPR、スポーツウェア市場に新風を巻き起こせるか
「スポーツシューズの売り上げは、1980年から1995年にかけて驚くほどの成長を遂げた。しかし、ここ数年ヨーロッパでの成長が伸び悩んでいる」と Di Maria氏。
欧州における2006年9月期までのスポーツ用品売上高は前年比1%減の78億ユーロ(約1兆2635億円)と落ち込みを見せた。市場が飽和状態の英国では、売り上げ高が7.6%低下の20億ユーロ(約3235億円)に。同様にフランスも、17億ユーロ(約2750億円)という平凡な動きを見せている。
PPRの今回のプーマ買収が、スポーツとファッションの融合の新たな起爆役となるかどうか注目されている。
写真は2007年4月10日に撮影されたドイツ・ベルリン市内のプーマ販売店。(c)AFP/CLEMENS BILAN

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