【1月25日 Watches Press】英バーミンガム(Birmingham)で30日、フェローズ(Fellows)が「ウオッチ・セール」を開催する。

 ロットNo.188で登場するのはロレックス(ROLEX)のムーブメントを搭載したパネライ(Panerai)のダイバーズウオッチの「ラジオミール」、レファレンスNo.3634、シリアルNo.1010292だ。この時計は1944年9月、連合国軍によるマーケット・ガーデン作戦の際、ナイメーヘンのワール川にかかる橋を破壊する任務を負っていたドイツ軍の潜水工作員“フロッグマン”が着けていたもの。この工作員は英国兵らに捕らえられ、その英国兵士の1人がフロッグマンの潜水服の一部とともにこの腕時計を持ち帰った後、自分の名前(G.H.ローソン)と階級、そしてシリアル番号を時計の裏に刻んだ。

フロッグマンのゴム製の潜水服の一部(c)Fellows & Sons

 このパネライは恐らくイタリア海軍の潜水特殊部隊のために作られ、ドイツ人工作員に奪われたものだ。後に作られた、これと同じ型の時計にはパネライの名が冠されておらず、ムーブメントにも同様にロレックスの名が冠されていない。

 時計にはオリジナルの革のベルト、ゴム製の潜水服の一部、そしてジョージ・ローソン(George Rowson)がこの時計を入手した経緯をつづった手記が付けられる。マーケット・ガーデン作戦は1977年公開の映画「遠すぎた橋(A Bridge Too Far)」のテーマにもなっている。

標的となったナイメーヘンの橋(c)Fellows & Sons

1944年9月29日の出来事をつづったローソンの手記(c)Fellows & Sons

1944年9月29日の出来事をつづったローソンの手記(c)Fellows & Sons

 現在は動いていないとされるこの時計だが、その来歴により予想額は3万~4万ポンド(約450万円~600万円)とされている。

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