【8月20日 AFP】11月の上院議員選挙に立候補している米共和党の現職下院議員が、「まっとうなレイプ」の場合には妊娠することはほとんどないと発言し、猛烈な批判が巻き起こっている。

 トッド・エイキン(Todd Akin)下院議員(ミズーリ州)は、KTVIテレビのインタビュー番組に出演した際、レイプによる妊娠も含めて中絶に全面的に反対だとの考えを語るにあたって「まっとうなレイプ」に対しては女性の体が生物学的な反応を示すため、暴行された女性が妊娠することはほとんどないと主張した。

「まず、私が医師たちから聞いて理解している範囲では、(レイプによる妊娠は)非常にまれだ。まっとうなレイプであれば、女性の体にはそれをまるごと拒絶しようとする。そのための仕組みが幾つもあるのだ」(エイキン氏)

 さらに、仮に暴行された女性が妊娠した場合については、「これ(拒絶反応)が正しく機能しなかったか何かしたのだと仮定しよう。そのときには処罰が必要だ。だが、処罰はレイプ犯に科されるべきであって、胎児を攻撃するものであってはならない」とも主張した。

 この発言を受け、共和党大統領候補のミット・ロムニー(Mitt Romney)氏と副大統領候補のポール・ライアン(Paul Ryan)氏の選挙陣営は直ちに声明を発表。「ロムニー、ライアンの両氏は、エイキン氏の見解に同意しない。両氏による政権はレイプ被害者の中絶には反対しない」と表明し、エイキン氏と距離を置いた。

 エイキン氏はその後、「失言だった」と述べたが、中絶反対の立場には変わりないと語っている。(c)AFP