【12月14日 AFP】ポーランドで14日まで開催されている国連気候変動枠組み条約第24回締約国会議(COP24)で、ファッション業界のトップに立つ企業が力を合わせ2030年までに、温室効果ガスの排出量を30パーセント減らすと表明した。

「ファッション業界は世界文化を決定づける点において、いつでも2歩先を行く業界だ。その業界が、気候変動の問題においても先駆者となるのはとても喜ばしいことだ」と、今回の試みを発表した国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)のパトリシア・エスピノサ(Patricia Espinosa)事務局長は語る。

 国連(UN)主導の動きに加わるのは「アディダス(adidas)」、「バーバリー(BURBERRY)」、「エスプリ(ESPRIT)」、「ゲス(Guess)」、「ギャップ(Gap)」、「エイチアンドエム(H&M)」、「ヒューゴ ボス(HUGO BOSS)」、「リーバイ・ストラウス(Levi Strauss)」、「プーマ(PUMA)」、「サロモン(salmon)」ほか、「バレンシアガ(BALENCIAGA)」、「グッチ(Gucci)」、「サンローラン(Saint Laurent)」などを傘下に持つ高級ブランドグループ「ケリング(KERING)」など。

 海運大手A.P. モラー・マースク(A.P. Moeller-Maersk)も10日、ファッション・インダストリー・フォー・クライメイト・アクションに参加。

 43もの企業は2025年までに気候に配慮した材料や二酸化炭素などの排出量が少ない輸送、製造現場に石炭を燃料とするボイラーの設置を辞めることを優先事項とすると発表した。

 また参加企業は、頻繁にワードローブを一新する「ファストファッション」のトレンドに反し、いわゆる循環型経済を研究し、衣類を長く使用するよう消費者に促すことを約束した。

「ファッション業界の歴史を見てみると、環境面ではあまり良いものではない」とプーマのコーポレート・サステナビリティのステファン・ザイデル(Stefan Sidel)氏は述べた。「だからこそ今回はしっかりとしたい。いま行動し、しっかりと役目を果たしたい」

 ファッション業界は、世界の約10パーセントの二酸化炭素(CO2)を排出しているとされている。業界全体で温室効果ガスを軽減するためには「革新と協力が必要だ」とバーバリーのマルコ・ゴベッティ(Marco Gobbetti)CEOは話す。

「他のブランドや小売業者、卸業者、業界の仲間に、今このチャーターへの参加を呼びかけたい」とデザイナーのステラ・マッカートニー(Stella McCartney)は述べた。「一丸となれば、我々には影響力と変化をもたらす可能性がある」(c)AFP