【9月18日 AFP】世界的ファッションブランドの「シャネル(CHANEL)」は14日、これまで米ニューヨークに拠点を置いていたグローバル業務を、英ロンドンに移したことを明かした。欧州連合(EU)離脱(ブレグジット、Brexit)を受け、企業撤退の危機に瀕している英ロンドンにとっては朗報となった。

 110年前にココ・シャネル(Coco Chanel)によって設立された「シャネル」は今回、組織の簡略化と合理化を目指しグローバル事業を一か所に集結させることを決断。その地としてロンドンが選ばれた。

「シャネル」の広報はAFPに対し、ロンドンは、以前は様々な株式会社に細分化されていたグローバル組織の拠点になったと明かした。「以前はニューヨークにあった、社内のグローバル業務の大半を担っている組織をロンドンに移しました」とコメント。

 人事や法務、経営といった業務を扱う約50の部署が大西洋を跨いで反対側に拠点を移した。

「シャネル」は世界中で2万人もの従業員を抱えており、2017年の売り上げは96億ドル(約1兆752億9600万円)だったと発表している。

 エアバス(Airbus)やBMW、シーメンス(Siemens)などのグローバル企業は、英国が来年3月に欧州連合を離脱すれば、少なくともいくつかの事業を海外へと移すとしている。

 またブレグジットを受け銀行や保険会社では、欧州のトップクラスの金融センターから多くの国外転勤が行われるのではないかと専門家は予測している。(c)AFP