【9月18日 AFP】近年ではラグジュアリーハンドバッグやシューズで知られる高級米国ファッションブランド「ヘンリー・ベンデル(Henri Bendel)」は2019年1月、123年の歴史に幕を下ろすと親会社のエル・ブランズ(L Brands)が発表した。

 エル・ブランズは声明で、「ヘンリー・ベンデル」のウェブサイトや、ニューヨークの5番街(Fifth Avenue)にある旗艦店を含む、米国にある23の店舗はホリデーショッピングの時期までは営業すると発表した。しかし2019年以降は、グループのより利益のあるブランドに力を注いでいくとした。

「我々はビジネス面でパフォーマンスを改善し、株主の利益を増加させることに注力している」とエル・ブランズのレスリー・ウェクスナー(Leslie Wexner)会長兼CEOは13日に発表された声明で述べた。

 今回の閉店は、1895年に始まった「ヘンリー・ベンデル」の旅に終止符を打つ。シックなブラウンと白のストライプ柄のショッピングバッグを持った顧客はマンハッタンでよく見かけた光景だった。

 元々帽子職人だったルイジアナ出身のデザイナー、ヘンリー・ベンデルは、1895年にニューヨーク市のグリニッチビレッジ(Greenwich Village)に一号店を開いた。

 ベンデルは、今では世界中のトップブランドが集まる5番街初のラグジュアリーな小売店だったと同ブランドは語る。

 1960年代にはアンディ・ウォーホル(Andy Warhol)をインハウスイラストレーターとして起用。また、米人気テレビドラマ「セックス・アンド・ザ・シティ(Sex and the CitySATC)」の影響で「ヘンリー・ベンデル」は新しい世代の顧客を獲得した。

 エル・ブランドは年内にも新しい商品を発表するとしており、「ヘンリー・ベンデル」のファンは年内に同ブランドの商品を買いだめすることが予想される。

 活気のない売り上げで苦しむ「ヘンリー・ベンデル」は1985年にエル・ブランズによって買収された。2018年は8500万ドル(約95億1700万円)の収益に対し、4500万ドル(約50億3900万円)の営業損失を親会社は予想していると言う。

 エル・ブランズは、ランジェリーブランド「ヴィクトリアズ・シークレット(Victoria's Secret)」や「バス&ボディワークス(Bath & Body Works)」などの安定したブランドを保有している。

 米国、英国、カナダで3000店舗以上を経営する同グループは昨年、120億ドル(約1兆3435億2000万円)以上もの収益を報告している。

 なお同グループは、「ヘンリー・ベンデル」の閉店により影響を受ける従業員の数は明らかにしていない。(c)AFP/Getty Images