【3月20日 AFP】「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」を1月に去ったデザイナーのキム・ジョーンズ(Kim Jones)が、「ディオール オム(Dior Homme)」のクリエイティブ・ディレクターに就任することが19日明らかになった。

 45歳で引退したいと話す現在38歳の天才は、「ルイ・ヴィトン」で過ごした7年間で、ブランドに多くの話題をもたらし、スターをキャットウォークに引き戻した。

「究極のエレガンスを象徴する『ディオール(Dior)』の一員になれることを非常に光栄に思います」とジョーンズは声明で発表し、「このブランドが持つ唯一無二のレガシーを基礎に、モダンで革新的なメンズのシルエットを作るために全力を注いでいきます」とつづった。

 11年間「ディオール オム」を率いたクリス・ヴァン・アッシュ(Kris Van Assche)の後を継ぐことになるジョーンズ。「ルイ・ヴィトン」では、ニューヨークのストリートウェアブランド「シュプリーム(Supreme)」や、英アーティストのチャップマン・ブラザーズ(Jake and Dinos Chapman)らとのコラボレーションが記憶に新しい。

 ジョーンズは自然やエキゾチックな場所への旅行などといった自身の情熱を、「ルイ・ヴィトン」のラグジュアリーなコレクションに織り交ぜ、ノスタルジックな英国風の上品さとエッジーなストリートスタイルを見事に融合させた。

 幼少期にアフリカやアマゾンなど、世界各国を旅したジョーンズは、あと5年、少なくとも45歳になるころには引退する予定なのだと11月に語っている。

 クリス・ヴァン・アッシュの退任の知らせは、ピエトロ・ベッカーリ(Pietro Beccari)氏を「クリスチャン・ディオール(Christian Dior)」の新しいチェアマンとして迎えた数週間後に発表された。

「ディオール」は声明で、ブランドのテイラリングにパンク風のストリートスタイルの要素を付け足したベルギー出身のクリス・ヴァン・アッシュは、「ディオール」を傘下に持つ高級ブランドグループ「LVMH」に留まると発表した。

 ファッション情報紙WWDは昨年9月、ジョーンズは「ヴェルサーチ(Versace)」と話しを進めていると報じ、ジョーンズについて「ラグジュアリーとストリートウェア、両方をこなせる数少ないスターデザイナーの一人。だからこそ『ヴェルサーチ』から声がかかったのだろう」としていた。(c)AFP