■なぜ迷彩服を着るのか?

 しかし彼女は、自分のデザインは戦争を助長するものではないと強調する。「戦闘中であっても、ドネツクの女性はデリケートでフェミニンなままなのだという考えなのです」

 一方、買う側のエレーナさんは、なぜ女性が迷彩服や、政治色の強いロシアの旗や、ウクライナからの独立を一方的に宣言した2つの地域の旗をモチーフにした服を着なければならないのかと問う。「こういったタイプの服は、戦場でカモフラージュが必要なときや、愛国心を表現するために着るものだ」と彼女は語る。

ウクライナのドネツクで地元デザイナーが手がけた服を試着するモデル(2017年8月24日撮影)。(c)AFP/Aleksey FILIPPOV

「なぜ若い女性が迷彩柄を身にまとわなければならないのか。旗のように見えるドレスを着ることで、どうやって自分の国を助けられるのか」。エレーナさんは理解に苦しみつつ頭を横に振る。「こういうものは政治家や軍人に任せておけばいいと思う」(c)AFP/ Yulia SILINA