【5月26日 AFP】今年70回目を迎えたカンヌ国際映画祭(Cannes Film Festival)。大勢のセレブが集まるこの映画祭で一躍名声を博した俳優、監督たちに思い出深いエピソードを語ってもらった。

■気付いたらJ・ニコルソンの膝にいたJ・バーキン

 英国人の歌手で女優のジェーン・バーキン(Jane Birkin)は、初めてカンヌ映画祭に行ったときの記憶が曖昧だと話す。

「最初に思い出すのは…(俳優の)ジャック・ニコルソン(Jack Nicholson)の膝の上に座ったこと。それがすごくおかしいのだけど、詳しい状況が思い出せなくて。ジャック・ニコルソンの膝の上に気付いたら座ってるなんて、そんなことある訳ないのに。これぞカンヌならではのお気楽さでしょ! 私は確か25歳だったはず」

 そんなバーキンにとってカンヌ映画祭での一番の思い出は、自身が出演したジャック・ドワイヨン(Jacques Doillon)監督の1984年の映画『ラ・ピラート(The Pirate)』の宣伝で同映画祭に参加したときのことだという。

「ものすごくすてきな瞬間だった」

■パルムドールを2作品が同時受賞

 カンヌ映画祭には何度も出席しているギリシャ出身のコンスタンタン・コスタ・ガヴラス(Constantin Costa-Gavras)監督は、いつ来ても良い思い出しかないと語る。

 その中でも最良の思い出は、1982年に自身の監督作『ミッシング(Missing)』がトルコのユルマズ・ギュネイ(Yilmaz Guney)監督の『路(みち、Yol)』と最高賞パルムドール(Palme d'Or)を同時受賞したときのこと。

「会場内は静まり返っていた。1人のギリシャ人と1人のトルコ人との間で一体何が起きるのかと周りに思われていたのかどうかは知らないが、次の瞬間、私たちは抱き合っていた。あれは最高の瞬間だったね」