【5月12日 MODE PRESS WATCH】音楽家・アーティスト・プロデューサーなど幅広く活躍する やくしまるえつこ(Etsuko Yakushimaru)が、メディアアート界のオスカーとも言われる世界最大の国際科学芸術賞「アルス・エレクトロニカ賞」の“STARTS PRIZE”で、グランプリ(Grand Prize for Artistic Exploration)を受賞した。同賞で日本人がグランプリを受賞したのは、やくしまるが初。

 ポップミュージックからエクスペリメンタルミュージックまで幅広く活躍するやくしまるは、自身のバンド「相対性理論(Soutaiseiriron)」をはじめ、数々のプロジェクトをプロデュース。また「スマップ(SMAP)」や「ももいろクローバーZ(Momoiro Clover Z)」らへの楽曲提供も行っている。

 今回で2回目を迎える“STARTS PRIZE”は、「アルス・エレクトロニカ」が欧州委員会からの命を受けて実施している賞。科学、テクノロジー、アートを横断する革新的なプロジェクト2点に対して授与される。

 やくしまるのグランプリ受賞作は、“人類滅亡後の音楽”をコンセプトにバイオテクノロジーを用いて制作した作品「わたしは人類」。シアノバクテリアの一種である微生物の塩基配列を用いて楽曲を制作したほか、同曲の情報をDNAコード化し、DNAを人工合成して微生物の染色体に組み込み、遺伝子組換え微生物を作り上げた。本プロジェクトは、人類の歴史上初めて“音楽配信”と“CD”、そして“遺伝子組換え微生物”で発表された音楽作品となる。

 今回の発表とあわせて、「わたしは人類」の実際の遺伝子情報をもとにした映像と、2016年にやくしまるのバンド「相対性理論」によって山口・山口情報芸術センター[YCAM]で披露された「わたしは人類」のライブパフォーマンスの映像が公開された。ライブでは、人気ブランド「ファセッタズム(FACETASM)」が制作を手掛けた衣装を着用。やくしまると同ブランドはコラボレーションアイテムを製作するなど、兼ねてから親交を深めてきた。

■関連情報
・やくしまるえつこ 公式HP:http://yakushimaruetsuko.com/archives/1223
・「わたしは人類」(Genetic Video):https://youtu.be/92Dcp9Fbdac
・「わたしは人類」(変異ver. at 山口情報芸術センター [YCAM]):https://youtu.be/aIVMQvbNfbE
・STARTS PRIZE:https://starts-prize.aec.at/
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