【4月19日 MODE PRESS】東京・銀座最大の商業施設「ギンザ シックス(GINZA SIX)」が4月20日にオープンする。中でも注目は2階に位置する、大丸松坂屋百貨店のコンセプトストア「シジェーム ギンザ(SIXIÉME GINZA)」だ。フランス語で「第6・第6の」の意味する「シジェーム」を名に冠し、「銀座6丁目」や「第6感」など、さまざまな意味を内包するこのブティック。“本質を極めた大人の女性”をターゲットに「TOKYO ESSENTIAL STYLE」をコンセプトに掲げるが、百貨店のコンセプトストアとはいったい何なのだろう?

 同店のマーチャンダイジング ディレクションを行うのは、2015年までセレクトショップ「アクアガール(aquagirl)」のブランドディレクターとして活躍した笠原安代(Yasuyo Kasahara)。そして「トゥモローランド(TOMORROWLAND)」のクリエイティブディレクターとして業界を活性化させた佐々木康裕(Yasuhiro Sasaki)だ。この最強タッグに、「百貨店でもセレクトショップでもない、新しいコンセプトストア」の秘密について聞いた。 

MDディレクションを手がけた佐々木康裕と笠原安代(2017年4月14日撮影)。(c)MODE PRESS/Fuyuko Tsuji

■非日常な空間に足を運びいれる快感

 開放感あふれる吹き抜け空間の下、ゆったりと広がるフロアは心地が良い。全体の内装を担当したのはフランス人デザイナーのグエナエル・二コラ(Gwenael Nicolas)。これまで「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」や「フェンディ(Fendi)」など数多くのブランドを手がけてきた二コラならではの「ストーリーのある、上質な空間デザイン」となっている。

 「非日常的な空間にお客様を招きいれて、楽しんでもらうことが僕らにとってのラグジュアリー。心が豊かになるようなプラットフォームになってほしい」と、同じくMDディレクターの佐々木は語る。店内には植物も多く配置され、リラックスした気分で各コーナーを楽しむことができる。 

国内外100以上のブランドの服飾雑貨を取り揃える(2017年4月14日撮影)。(c)MODE PRESS/Fuyuko Tsuji

■一人の女性の6つの「顔」

 シューズ、バッグ、ジュエリーなど雑貨を中心にセレクトされたアイテムは、ドメスティックブランドからインポートまで豊富なラインナップを誇る。「日本人の特徴であるミックス感を大事にしている。僕も世界中を回るが、こういう編集施設は海外にはなかなかない」と佐々木は笑顔を見せる。さらに大勢の女性をイメージするのではなく、一人の女性のライフスタイルにフォーカスし、心の緊張度によって異なるシチュエーションを想定しているのが「シジェーム ギンザ」の独自性だ。

 華やかさや女性らしさを演出する「DRESS UP」、大人の日常スタイルにきちんと感をプラスした「DAILY TOWN」、解放感と機能性・実用性を備えた「TRAVEL ACTIVE」、日々の緊張感を解き放って新たなエネルギーをチャージする「COZY RELAX」、際立つセンスを提案する特別な演出「GIFT」と分けられた6つのエリアがあり、「コーナーごとでムードが変わるように店舗空間を編集した」と佐々木は説明する。一人の女性のさまざまな面を垣間見るのは、ドラマを見ているかのような、なかなか楽しいショッピング体験だ。

心の緊張度やスタイルでカテゴリ分けされた店内(2017年4月14日撮影)。(c)MODE PRESS/Fuyuko Tsuji