【3月17日 MODE PRESS WATCH】ファッションジャーナリスト増田海治郎(Kaijiro Masuda)が、1985年から92年にかけて流行したストリート・ファッション「渋カジ」の歴史と変遷を記録した著書「渋カジが、わたしを作った。」を、講談社から発売した。

 1985年、当時のファッショントレンドの主流だったDCブランドに対するカウンターカルチャーとして、アメカジ(=アメリカンカジュアル)に身を包んだ若者集団「チーム」が、渋谷に現れた。渋谷センター街を拠点した彼らのファッションは、口コミで都内の高校生に広がり、いつしか渋谷カジュアル=渋カジと呼ばれるようになった。

 同書は、1985〜87年のアメカジから1988〜89年の渋カジ、1990年〜91年のキレカジ、ハードアメカジ、1991〜92年のデルカジまでの、約7年間にわたるアメカジをベースにしたストリート・ファッションを「渋カジ」と総称し、その誕生からスタイルの変遷を6章にわたって詳細に記録している。第4章では、女優の田中律子を(Ritsuko Tanaka)はじめ「ジョンズクロージング(JOHN'S CLOTHING)」代表の河原拓也(Takuya Kawahara)など、渋カジという流行を作った関係者や渋カジの中心にいた人たち16人のインタビューも掲載している。

 団塊ジュニア世代にとっては、青春時代の“回顧録”でもある同書。日本のファッション史の貴重な記録として、ぜひ手に取ってみては。

■書籍概要
「渋カジが、わたしを作った。」
発行元:講談社
書籍判型:四六版並製本、全308ページ
価格:1600円(税抜)
著者:増田海治郎(ファッションジャーナリスト)
表紙イラスト:綿谷寛
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