【3月10日 AFP】仏高級ブランドグループ、モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン(Moet Hennessy Louis VuittonLVMH)とパリ市は8日、「ルイ・ヴィトン・ファウンデーション(Louis Vuitton Foundation)」の傍に建設するアート施設の設計を、建築家フランク・ゲーリー(Frank Gehry)に再度依頼したと発表した。

 88歳のカナダ系アメリカ人であるゲーリーは以前、パリ・ブローニュの森(Bois de Boulogne)の西側一角に未来的な「ルイ・ヴィトン・ファウンデーション」を建設した。今回はその近くにある、使用されていないミュージアムを修復し、改築させるように要請されている。「新施設は芸術家たちとライブパフォーマンス、応用美術、そしてフランスの専門知識に捧げられる」と両者は共同声明で述べた。

 1970年代に建築家のジャン・ドゥブュイソン(Jean Dubuisson)によってデザインされた8階建てのビルは、郷土芸術と伝統芸術を所蔵していたが、2005年に閉館。新しい施設は「ラ メゾン LVMH / アール‐タラン‐パトリモワンヌ(LA MAISON LVMH / ARTS‐TALENTS‐PATRIMOINE)」と呼称される予定だ。建設費は1億5800万ユーロ(約1兆8960億円)と推定されており、内5000万~8000万ユーロ(約6000~9600億円)はアスベスト(石綿)除去の費用。

 アンヌ・イダルゴ(Anne Hidalgo)パリ市長は「熟練した職人技が秘める、とてつもない可能性と機会を見出してもらいたい。(同プロジェクトは)若い世代にそういった強いメッセージを送るものだ」と声明で語った。8日に開かれた同プロジェクトの記者会見には、フランソワ・オランド(Francois Hollande)仏大統領をはじめ、イダルゴパリ市長、フランク・ゲーリー、そしてLVMHのベルナール・アルノー(Bernard Arnault)会長が出席した。

 同施設にはコンサートや展覧会、ワークショップのための2つのホールが設けられ、最上階にはパノラマ式のレストランも建設されるという。また同プロジェクトは、ゲーリーの拠点ロサンゼルス(Los Angeles)にて共に仕事をしたことがあり、ジャン・ドゥブュイソンの孫でもある建築家のトーマス(Thomas Dubuisson)との「密なコラボレーション」として発展していくと声明では述べられている。 (c)AFP