【6月30日 AFP】世界最大級のダイヤモンドの原石が29日、英ロンドン(London)で開催されたオークションに出品されたが、入札額が最低落札価格に届かなかったため、買い手がつかなかった。

 この1109カラットのダイヤは、大きさがテニスボール大の縦66.4、横55、高さ42ミリ。事前の予想では、落札価格が7000万ドル(約72億円)を超えると見込まれていた。ダイヤは、採掘地アフリカ南部ボツワナの現地語で「私たちの光」を意味する「レセディ・ラ・ロナ(Lesedi La Rona)」と命名された。

 だが、競売大手サザビーズ(Sotheby's)が主催した今回のオークションでは、カナダの鉱石会社「ルカラ・ダイヤモンド(Lucara Diamond)」が2015年に発見したこのダイヤに対して、6100万ドル(約63億円)を上回る入札を促すことができなかった。

 英オンライン小売業者「77ダイヤモンド(77 Diamonds)」のトビアス・コーマインド(Tobias Kormind)氏は、今回の競売で買い手がつかなかったことについて、強気の宝石市場が「転換点を迎えた可能性があり、大型の宝石に対する需要が飽和してしまったのかもしれない」と分析。ただ、その一方で、「英国の欧州連合(EU)離脱に伴う市場不安が原因で、今回の競売が不運な、タイミングの悪い開催になった可能性も拭えない」としている。(c)AFP