【1月14日 MODE PRESS】毎シーズン、さまざまな新作や新色を発表する化粧品ブランドは、世の女性が美しくありたいと願う限り、永遠にその努力と研究、開発の手を休める事はない。膨大な製品が、毎日世の中に出回っているなか、女性はどのようにして自分が使う物を選んでいるのか。値段、効果、デザイン、香り、口コミの評価などなど、人によってそれぞれ基準は違う。高価で効き目を感じる製品もいいけれど、安くて効果を感じる製品があれば、女性なら誰しも興味を持つだろう。今回取材したのは、安いだけじゃない、機能性も伴ったプチプライスコスメ(プチプラコスメ)を牽引する2つ企業に、製品開発に至るまでの経緯と今後の展開についてを聞いた。

■育毛効果と徹底したこだわりで人気の「モテマスカラ」

 もう一つ、今人気のブランド「モテマスカラ」は、そのユニークなネーミングと、1本1800円(税抜)というこれまでにない値段設定、そしてプチプラとは言いがたいデザイン性と機能性の高さで女性から高い支持を得ている。(株)フローフシが展開する「モテマスカラ」シリーズは、医療のバックグラウンドを生かし、「マスカラで育毛」を実現させた。

 「もともと総合美容クリニックの運営などに携わっていて、タレントさんや女優さんなどから、メイクで弱ったまつ毛の相談を受けることが多かったんです。そこで処方していたまつ毛美容液が非常に人気で、普段使いできるようにマスカラとして開発したのが今のモテマスカラの原型です」と担当者は語る。

―15万人に現品配布、大規模キャンペーンによる相乗効果

 2013年には、総勢15万人に現品サンプルを配布し、60日間使用した効果をレポートしてもらう大規模プロモーションを行なった。「それまでは マスカラで育毛なんてできるの?と半信半疑な気持ちで、気休め程度に弊社の製品を選ぶ方も多かったんです。そういった方たちに実際に効果を実感してほしいと思い、15万人に現品を配るキャンペーンを行ないました。84%の人がまつげの育成を感じたと答えるなど結果は上々。同時に、美容雑誌でも連載をしたことで、ああ本当にまつ毛が生えるんだと思ってくださる方が増えました」。

―消費者にとって本当に良いものとは

 5周年を目前に控え、昨年秋には大々的なリニューアルを敢行。キャンペーンで手応えをつかみ、数ヶ月で型やデザイン、CMなどを一から作り直して、各社が新製品を発表する10月の発売に間に合わせた。「これまではネーミングから若い女性向けだと思われることも多かったのですが、まつげの育毛を本 当に必要としている幅広い年齢層の方々に使ってほしいという思いがあり、成分を一新すると同時にデザインにもこだわりました。マスカラを持ち歩く女性が多いので、見た目がスタイリッシュだったり、持っているだけで嬉しくなったりする点も重要だと考えました。パッケージも今までは窓あきから商品を見せていた が、果たして消費者にとってそれが本当に良いことなのかどうか一から考え直して、文字がきちんと大きく見えて信頼感のある今の袋状の形式に落ち着きまし た」

―繊維の一本一本、コームの形状にもこだわり

 マスカラ液の繊維の一本一本も全てオーダーメイド、ブラシの形状も堅さもマスカラの種類によって一つ一つ異なる。同時に展開するアイライナー「モテライナー」は熊野筆の職人と開発したオリジナルの筆先だ。世の女性の世界最高クオリティーのマスカラ、アイライナーを提供することにこだわっている。

「私たちは作るときに原価を考えません。この値段だったら買うというのは、お客さんが決めることですから。とにかくいいものを作って、原価は最後に決めるんです。どの商品も一流の職人さんとの話し合いを重ねて作っています」

 基準は、(1)新しい価値を提供すること、(2)世界最高のクオリティーを目指すこと、(3)それを買いやすい値段で販売することの3つだけ。 「よくメイクブランドですか?と聞かれますが、そこにもこだわりはありません。ルールは、3つの基準を守った範囲内でやるというだけです。その分、商品開 発には力を入れるので、お客さんの反応は常に気にしています。最終的にはお金を払う人が満足してくれるかどうかが一番大事です。ですから私たちはお客さん がどうしたら喜んでくれるかを常に考えています」