【10月23日 AFP】「これが一番大きいサイズなんですか?」東京のとあるショールームで、仏百貨店「ギャラリーラファイエット(Galeries Lafayette)」のバイヤー、ジェラルディーヌ・フロランさんが、黒のジップアップブルゾンを着て鏡の前で、溜め息をついた。

■フランスではXS


 「これ、フランスではXSですよ!」パリのデパートから来たこのバイヤーは、そう主張する。東京のファッションウィーク会期中の空き時間に、新しいファッションデザイナーやトレンドをリサーチするために訪れたのだ。「とにかく、すごく素敵なんですけどね・・・」そう言って、彼女は仕上がりの美しさを高く評価した。

 明るいコンクリートの床が印象的な真っ白い空間には、ファッションブランド「ジョン・ローレンス・サリバン(John Lawrence Sullivan)」の服が展示されている。このフランス人バイヤーが次に足を止めたのは、とあるセーターの前だった。ポリエステルの細いリボンが編み込まれている。「こんなの初めて見ました。特別な機械を使っているのですか?」細かな質問が続いた。

■3日間で30以上のアポイント

 主に黒と白で構成されたコレクションが、ラックに掛けられて展示されている。商品を一つ一つチェックして進む彼女は、次々と質問を投げかける。傍らには通訳の女性がつき、縫製の場所、生地の生産地、おおよその価格から、卸値と小売値の掛け率などを尋ねていく。

 彼女の為に日本政府が手配したアポイントメントは、3日間で合計30以上にも及んだ。「世界中で何が起きているのかを、常に把握しておかなくてはなりません。今の時代のファッションは、グローバルなのです」。バイヤーである彼女はそう繰り返した。現に、彼女の他に二人の同僚は、イスタンブールとソウルに出張したという。