【7月24日 MODE PRESS】ファッション産業で働く女性の活躍支援を目的とする、一般社団法人「ウィメンズ・エンパワメント・イン・ファッション(以下WEF)」のキックオフ・シンポジウムが22日、都内で開催された。

 実業家の尾原蓉子(Yoko Ohara)会長率いるWEFでは、シンポジウム・セミナー、研修会などの開催や、それらを通したネットワーキングを通じて、アパレル、ファッション雑貨、ビューティー、ホームなどのファッション産業に携わる女性を支援していく。企業会員には、高島屋、三越伊勢丹ホールディングス、ビームス、スタートトゥデイ、ファーストリテイリング、ルミネなどが名を連ねる。

 22日のシンポジウムでは、株式会社高島屋の代表取締役専務、肥塚見春(Miharu Koezuka)氏が基調講演に登壇。高島屋入社後15回の異動を経て、自身のキャリアをステップアップさせてきた経緯や、その中で学んできたこと、また結婚・出産・育児と仕事との両立について、自身の体験談を語った。

 パネル・ディスカッションには、オンワード樫山執行役員の上野恵子(Keiko Ueno)氏、元経済産業省 経済社会政策室長の坂本里和(Riwa Sakamoto)氏、ジュエリーブランド「HASUNA(ハスナ)」の白木夏子(Natsuko Shiraki)氏が登壇。上野氏は自身の経験を振り返り、岐路に立った時には悩みつつも努力した経験が原動力になること、仲間や周囲の理解とサポートが仕事を続ける支えになったと話した。また自身も4人の子どもを育てる坂本氏は、時間的な制約が仕事の成果に影響を与えないよう、フレキシブルに働ける環境を作ることが大切だと語った。さらに、実際に女性の管理職がいる企業といない企業ではリーマン・ショック後の経営回復に差が出ることをデータで示し、女性と男性をバランスよく登用することが、企業全体のパフォーマンス向上にもつながると強調した。「HASUNA」を経営する起業家の白木氏は、自分の時間さえコントロールできれば両立は可能と言い、毎日子どもが寝た後の時間を仕事に充てることで、自分の時間を作っていると語った。

 また、女性を職場で活用するためにどうしたら良いか、という会場からの質問には、「女性は自己評価が低い傾向にあるので、躊躇されても思い切って任せてみると意外と上手くいく」(坂本氏)、「女性は小さなことでも楽しみを見つけようとする傾向にあるのでそういうところを生かしてあげると良いのでは?」(上野氏)、「消費者としてのダイレクトな意見を反映できる点は大きい。起業も女性に向いている選択肢だと思う」(白木氏)などの回答が挙がった。

■関連情報
・WEF 公式HP:http://www.wef-japan.org/
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